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メモリレコーダーの用途例と校正メモリレコーダーの基礎知識(3)(1/4 ページ)

メカトロ機器、電力設備、機械、材料、バイオなど幅広い分野で波形観測に使われる「メモリレコーダー」の基礎知識を紹介する連載第3回。最終回となる今回は、メモリレコーダーの用途例や構成について説明します。

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TechEyesOnline

 本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。

メモリレコーダーの用途例

 メモリレコーダーは主に自動車などの輸送機や産業機械、家電機器、材料/部品、電力機器、バイオ/医療など、多方面に使われる。これらの用途では、多チャンネルのアナログ信号とロジック信号を同時に観測することが要求される。また、取り込んだ波形を直接観察するだけではなく、演算を行って加工した結果を利用することもある。

 ここでは、さまざまな用途での利用事例を紹介する。

エレベーターの振動計測

 高層ビルに使われるエレベーターは、低振動で高速に昇降できるように工夫されている。エレベーターに異常があると振動が増加するため、保守点検のときはエレベーター運転時の上下の加速度および、前後左右の振動を同時に測定できる3方向振動センサーを使って振動計測を行う。


図1:エレベーターの振動計測

 計測したデータの中から、3軸それぞれを個別に参照することにより、ドアの開閉時の振動やエレベーター固有の振動、さらに上昇/下降時の振動および、DC加速度波形が記録できる。

回転機の偏心測定

 回転機を長期間使うと、摩耗やアライメントのずれによって軸に偏心が生じて異常な振動や騒音などを発生する要因となり、機械の寿命にも影響を及ぼすことになる。このため、ポンプや発電機などの回転機は常時、もしくは定期的に偏心量を測定する必要がある。

 軸の変位は渦電流式変位計、もしくはレーザ変位計を用いて測定する。下記に渦電流式変位計を用いた事例を示す。軸の偏心を測定するセンサーと、軸に位相基準を検出するセンサーを使う。


図2:渦電流式変位計を用いた回転体の偏心測定

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