高耐圧パワーMOSFET内蔵のコンバーター:STマイクロ VIPer26K
STマイクロエレクトロニクスは、1050V耐圧のNチャンネルパワーMOSFETを内蔵する高電圧コンバーター「VIPer26K」を発表した。単相および3相スマートメーター、3相の産業機器、エアコン、LED照明用の電源などで活用できる。
STマイクロエレクトロニクスは2019年7月、1050V耐圧のNチャネルパワーMOSFETを内蔵する高電圧コンバーター「VIPer26K」を発表した。現在量産中で、SO-16Nパッケージで提供する。1000個購入時の単価は約0.64米ドル。単相および3相スマートメーター、3相の産業機器、エアコン、LED照明用の電源などで活用できる。
1050Vのアバランシェ耐性
内蔵のパワーMOSFETは、定格電圧が高く、1050Vのアバランシェ耐性を備える。従来の積層型FETや受動部品を使用せずに同等の耐性を確立しており、より小型の外付けスナバ回路を採用することもできる。ドレイン電流制限による保護機能を搭載するほか、パワーMOSFETには過熱保護用のセンスFETを接続している。
また、高耐圧起動回路、エラーアンプ、電流モードPWMコントローラーを搭載。これにより、2次側または1次側にレギュレーターを内蔵した絶縁型フライバック、フィードバック抵抗を内蔵した非絶縁型フライバック、バック、バックブーストコンバーターなど、一般的な各種スイッチング電源のトポロジーに対応する。
さらに、周波数60kHzの固定スイッチとオン/オフ時のMOSFETゲート電流制御を組み合わせることで、スイッチングノイズの放射を最小限に抑える。電力変換効率が高く、無負荷時消費電力が30mW未満と低いため、エコ設計の認証取得に寄与する。
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