プログラマブル直流安定化電源の構造や便利な機能:プログラマブル直流安定化電源の基礎知識(2)(5/7 ページ)
直流電源はさまざまな分野で使われているため、多くの製品が市場にある。今回の解説では製品の開発や生産の現場で使われているプログラマブル直流安定化電源のうち、対象物にエネルギーを供給する試験用電源についての基礎知識を紹介していく。連載第2回の今回は、「構造」や「便利な機能」「負荷に接続する際の注意」などを紹介する。
その他の便利な機能
最近の直流電源は、さまざまな試験要求に応じられるよう多くの機能が搭載されている。これらの機能を使うことにより、外部に特別な回路や信号源を用意しなくても、本体だけで試験ができるようになる。
内部抵抗可変機能
化学電池(放電時)、燃料電池、太陽電池など、出力インピーダンスを持った電源を模擬する場合に利用する機能である。従来は直流電源の外部に抵抗器を接続していたが、内部抵抗可変機能の持つ電源では内部抵抗に模擬する機能を持っている。
シーケンス機能
試験に必要な直流電源の状態を全てPCのプログラムから設定するのではなく、発生する設定を全て直流電源内部に保存しておき、外部からの起動によってあらかじめ直流電源に書き込んだシーケンス(設定手順)に従って動作することができる。
直流電源の設定状態と出力手順は、電源メーカーから提供されるPCプログラムを利用すると簡単に構築できる。
シーケンス機能をリストモードというメーカーもある。
シーケンス機能を使えば高度な直流電源の使い方ができるが、利用する際には直流電源の取扱説明書を熟読して機能を理解する必要がある。
ソフトスタート/ソフトストップ機能
白熱電球や大容量コンデンサーなど、突入電流の影響を受ける負荷に対しては緩やかな電源の立ち上がりが必要である。また、プリント基板上にある電源電圧検出回路(パワーオンリセット回路)の試験をする場合も、緩やかな電源の立ち上がりや立下りが必要である。
ソフトスタート時間を設定して直流電源をオンすると、指定した時間で設定した電圧値もしくは電流値まで立ち上がる。ソフトストップも同様の設定を行えば、指定した時間でオフの状態になる。
ソフトスタート/ストップ機能は、可変スルーレート機能といわれることもある。
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