プログラマブル直流安定化電源の用途例や保守:プログラマブル直流安定化電源の基礎知識(3)(1/4 ページ)
直流電源はさまざまな分野で使われているため、多くの製品が市場にある。今回の解説では製品の開発や生産の現場で使われているプログラマブル直流安定化電源のうち、対象物にエネルギーを供給する試験用電源についての基礎知識を紹介していく。連載最終回となる今回は、「用途例」や「保守」について紹介する。
本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。
直流電源の用途例
直流電源はさまざまな試験のために使われる。特に、直流で動作する自動車用電装品や電子機器の評価や試験では、直流電源が必須になる。
車載用の高速応答電流センサーの評価
ハイブリッド自動車、電動パワーステアリング、アイドリングストップ車の制御が広く普及してきたため、自動車向けの電流センサーが多く使われるようになった。
自動車向け電流センサーは直流から早い変化を検出しなければならないため、高速に応答する電流センサーが必要になる。これを評価するには、直流電源と高速に動作する電子負荷が必要になる。
ヒューズの溶断試験
さまざまな電流印加条件で、ヒューズが仕様通り規定された時間で溶断するかを試験する。ヒューズの溶断試験の手順は規格で決まっているため、PCを用いた試験システムで行われる。
DC-DCコンバーターの試験
ハイブリッド自動車やアイドリングストップ車の内部には、さまざまな電装品を駆動するためにDC-DCコンバーターが搭載されている。
データセンターなどでは多くの情報通信機器が駆動している。通常は商用電源から得た交流電源で駆動しており、停電時には電池で駆動できるようになっている。現在のシステムでは交流から直流、直流から交流を何度も変換するためエネルギー効率が悪くなっている。このため、システムを高電圧直流(HVDC)で構築することが始まっている。HVDCを使ったサーバシステムでは、HVDC電圧(DC380V)からDC12VやDC48Vに変換するDC-DCコンバーターが使われている。
DC-DCコンバーターは、ほかにもさまざまな用途で使われている。DC-DCコンバーターを評価するには、直流電源が使われる。
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