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電力計の種類と選定ポイント電力計の基礎知識(1)(2/8 ページ)

電力を測るニーズの拡大にあわせて、さまざまなタイプの電力測定器が登場している。今回の記事では高性能、高機能が要求されるベンチトップ電力計に絞って基礎知識を解説していく。

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簡易電力計

 節電を目的に、家庭や事務所などにある多くの電気機器の消費電力と積算電力を測る需要に応じた安価な電力計である。一般の人を対象に作られた電力計であるため、取り扱いは簡単なものとなっている。


図4:簡易電力計(EC-03N カスタム) 提供:カスタム

電力モニター

 工場やビルなどで使われる機器の消費電力を監視するために作られた電力計である。分電盤や装置に組み込まれて使われ、測定結果は表示されるだけでなく、パルス出力信号もしくは通信で制御装置に伝送することもできるようになっている。


図5:電力モニター(PR300 横河電機) 提供:横河電機

電力変換器

 電力測定した結果を規定された電圧もしくは電流のアナログ信号に変換し、制御機器や監視装置に伝送する機能を持った製品である。電力変換器には表示器がないため、測定結果は制御機器や監視装置にある表示器から読み取る。


図6:電力変換器(JUXTA DWT/R18 横河電機) 提供:横河電機

計測用電力計(ベンチトップ電力計、平均電力測定)

 比較的消費電力の変化が少ない白物家電製品や産業用パワーエレクトロニクス機器などの開発や生産の現場で、電力を高精度に測定するために使われるのが、ベンチトップ(据え置き)電力計である。ベンチトップ電力計は基本機能を重視した数字表示の電力計と、高機能でグラフィック表示を持つパワーアナライザーがある。パワーアナライザーは電圧、電流、電力の測定だけではなく、さまざまな解析機能を持っている。

 基本機能を重視した電力計は消費電力などの測定に使われることが多く、設置面積、測定タクトタイム、外部機器との接続性が重視される家電製品の生産ラインでの利用が多い。


図7:基本機能を重視した電力計(WT300Eシリーズ 横河計測) 提供:横河計測

 パワーアナライザーは一般に高性能であるため、設計時の性能評価や規格試験に使われる。高機能が要求されるEMCノイズ試験や機器の効率などの測定に適している。最近では入力モジュールを多く搭載することで、複数の電力変換器を搭載したパワーエレクトロニクス装置の評価に適したパワーアナライザーが登場している。


図8:多くの入力モジュールを持つ新しいパワーアナライザー(WT5000 横河計測) 提供:横河計測

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