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DC-DCコンバーターの信頼性(3)信頼性設計とPCBレイアウトの考慮事項DC-DCコンバーター活用講座(32)(3/3 ページ)

前回に引き続き、DC-DCコンバーターの信頼性に関して説明していきます。今回は、「信頼性設計」と「PCBレイアウトの信頼性に関する考慮事項」について解説します。

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 図5は、PCBA(プリント基板アセンブリ)のパネル上の最初のレイアウトです。網掛け部分は、構造上の理由からPCB部品の近くに開けなければならないスロット穴の位置を示しています。最初は、PCBAを互い違いに置いて重量を分散させる方針でした(サイズの大きいかなり重いインダクターがあるため)が、部品全体の重量が重すぎたためにパネルがたわんでしまい、結果として故障率が受け入れがたいほど高くなってしまいました。

 図6は、PCBAの改良レイアウトです。パネルあたりのPCBAの数を50から40に減らし、2mm幅のスペースをPCBA間に追加して強度を上げました。スペースを広くしたことでVカット作業者によるデパネリング作業の準備が容易になり、部品に加わるストレスも軽減されました。新しいレイアウトにしたことで、全体の故障率は2%未満になりました。


図5:故障率が許容範囲を超える最初のPCBAレイアウト 出典:RECOM

図6:スペースを広げて強度を高め、Vカット分割器での作業を容易にしたPCBAの改良 出典:RECOM

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執筆者プロフィール

Steve Roberts

Steve Roberts

英国生まれ。ロンドンのブルネル大学(現在はウエスト・ロンドン大学)で物理・電子工学の学士(理学)号を取得後、University College Hospitalに勤務。その後、科学博物館で12年間インタラクティブ部門担当主任として勤務する間に、University College Londonで修士(理学)号を取得。オーストリアに渡って、RECOMのテクニカル・サポート・チームに加わり、カスタム・コンバーターの開発とお客様対応を担当。その後、オーストリア、グムンデンの新本社で、RECOM Groupのテクニカル・ディレクタに就任。



※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。

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