長距離通信に対応した車載、産業用途向けMCU:NXP KW39、KW38、KW37
NXPセミコンダクターズは、マイクロコントローラーの「KW3x」シリーズに、車載および産業用途向けとなる「KW39」「KW38」「KW37」を追加した。Bluetooth 5.0ロングレンジ機能と拡張Bluetoothアドバタイジングチャンネルを搭載する。
NXPセミコンダクターズは2020年5月、マイクロコントローラーの「KW3x」シリーズに、車載および産業用途向けとなる「KW39」「KW38」「KW37」を追加した。7×7mmのウェッタブルフランク48HVQFNパッケージで供給を開始している。
KW39、KW38、KW37は、Bluetooth 5.0ロングレンジ機能と拡張Bluetoothアドバタイジングチャンネルを搭載。BLE(Bluetooth Low Energy)5.0とGeneric FSK無線を統合し、過酷な環境や長距離通信に対応する。
LE-coded 125kビット/秒での受信感度は−105dBM、Generic FSKでは250kビット/秒で−101dBmを記録する。最大送信出力は+5dBm。「Arm Cortex-M0+」コアを搭載し、最大512KバイトのECC機能付きフラッシュメモリ、64KバイトのSRAMを備える。
最大8つの同時接続が可能
革新的なデータストリームバッファーにより、プロセッサやDMA(Direct Memory Access)を動かしたまま、距離と角度の高精度測定ができる。また、マスターとスレーブの組み合わせを問わず、8つまでの同時接続に対応し、権限を持つ複数のユーザーやデバイスとセキュアな通信ができる。
KW38は、FlexCANモジュールを統合してCAN FDプロトコルをサポート。自動車の車内ネットワークや産業用CAN通信ネットワークへのシームレスな統合を可能にする。
3製品ともAEC-Q100グレード2や各種産業認証を取得しており、キーレスエントリー、センサー、ワイヤレスオンボード診断機能といった車載用途のほか、ビルの制御や監視、消防や安全、ヘルスケア、資産管理など広い産業分野での利用が見込まれる。
なお、前世代品とハードウェア、ソフトウェア、ツールにおいて互換性があるため、容易に移行できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Cortex-M33ベースの低消費電力マイコン
NXPセミコンダクターズは、マイクロコントローラー「LPC5500 MCU」シリーズに「LPC551x」「LPC55S1x」ファミリーを追加した。Arm Cortex-M33を搭載し、消費電流を32μA/MHzに抑えた。 - スマートフォンを車の鍵にできるUWBチップ
NXPセミコンダクターズは、車載超広帯域無線IC「NCJ29D5」を発表した。高精度でセキュアなリアルタイム位置特定機能を持ち、スマートフォンを車の鍵としても使用できる。 - Cortex-M33ベースのMCU、40nm NVMプロセスで性能を向上
NXPセミコンダクターズは、高い性能効率を誇るマイクロコントローラー「LPC552x」「LPC55S2x」ファミリーを発表した。ピンや周辺機器と互換性があり、開発期間の短縮に貢献する。また、複数の高速インタフェース、先進セキュリティ機能を備える。 - エッジ先進機械学習に向けたマイコン
NXPセミコンダクターズは、ギガヘルツ級の高速性能を備えたマイクロコントローラー「i.MX RT1170」を発表した。最大1GHz駆動のArm Cortex-M7と最大400MHz駆動のARM Cortex-M4を使用したデュアルコアアーキテクチャなどを搭載している。 - NXP「i.MX 8M Mini」向けのパワーマネジメントIC
ロームは、NXPセミコンダクターズのアプリケーションプロセッサ「i.MX 8M Mini」ファミリー向けのパワーマネジメントIC「BD71847AMWV」を発表した。降圧DC-DCコンバーター、LDOレギュレーターを各6チャンネル、制御ロジックなどを集積する。 - 耐水タッチ機能統合の5Vマイクロコントローラー
NXPセミコンダクターズは2019年3月、業界認証済み耐水タッチ機能を統合した、5V対応マイクロコントローラー「KE1xZ」ファミリーを拡充したと発表した。産業用IoT(IIoT)や家電市場向けに、32K〜256Kバイトフラッシュメモリと8K〜32KバイトSRAMをサポートした。