検索
連載

LEDの特性(2)LED調光DC-DCコンバーター活用講座(37)(1/3 ページ)

前回に引き続きLEDの特性に関して説明していきます。今回は、LED調光について解説します。

Share
Tweet
LINE
Hatena

LED調光

連載アイコン
↑連載一覧へはアイコンをクリック↑

 LEDは、1〜10Vアナログ電圧、主電源位相角、電源ライン、DALIなどのデジタル入力、あるいは無線LANリンクなどによる調光が可能ですが、実際にLEDの出力を調光する方法は2つだけで、LEDを通過する電流を線形に減少させるか(アナログ調光)、異なるマーク/スペース比でスイッチオンとスイッチオフを高速で行うか(PWM調光)のどちらかしかありません。どちらでも結果は同じですが、実際の動作原理には重要な違いがあるので、多くのアプリケーションにおいては、適切な調光方法を選択することが極めて重要です。

アナログ調光とPWM調光

 LEDは非常に狭い順方向電圧範囲で動作します。標準的な高輝度チップLEDは約2.5Vで発光を開始し、2.7Vで10%の輝度に達し、3.1Vで最大輝度となります。定電流LEDドライバの役目は、温度と時間によってLEDのVFにドリフトが生じた場合でも、LEDに流れる電流を一定に保つために印加電圧を継続的に調整することです。電流は通常、値の小さい直列抵抗の電圧を測定し、安定性を向上させるために比較的遅い応答時間でその結果をアナログ帰還ループへ送ることによってモニターされます。さらにアナログ調光は、帰還ループにコンパレーター段を追加することによって簡単に追加できます。


図1:アナログ調光制御

 ほぼ最高輝度付近での調整やほぼ消灯状態での調整といった極端な領域は別として、アナログ調光では非常に直線的な調光曲線を実現できます。最高輝度付近の調光レベルではコンパレーターの飽和効果によって非線形応答となり、最も暗いライトレベルではシャント抵抗を流れる電流値が非常に小さくなるので、測定アンプの入力オフセット電圧が大きな誤差源となります。最終的に、いかに良好に設計されたアナログ調光回路であっても、調光範囲の上端3%と下端3%には避けることのできない非線形領域が生じます。


図2:アナログ調光における非線形性

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る