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LEDの特性(3)熱に関する検討や温度ディレーティングDC-DCコンバーター活用講座(38)(2/3 ページ)

前回に引き続きLEDの特性に関して説明していきます。今回は、熱に関する検討および温度ディレーティングなどに関して解説します。

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PTCサーミスターを使用した過熱保護

 サーミスターは、温度とともに値が変化する抵抗です。温度の増加とともに抵抗も増加する場合、そのサーミスターの温度係数は正です(Positive Thermal Coefficient:PTC)。PTCサーミスターの中には、強い非線形特性を有するものもあります(図3)


図3:代表的なPTCサーミスターの抵抗/温度曲線

 温度が指定しきい値未満である限り(この場合は70℃)、PTCサーミスターは100Ω程度の比較的低い抵抗値で安定しています。このしきい値を超えると抵抗は急速に増加し、80℃での抵抗値は1kΩ、90℃で10kΩ、100℃では100kΩとなります。

 便利なことに、取り付け金具にあらかじめ組み付けた状態のPTCサーミスターも数多くあり、これらのものはLEDランプのヒートシンクケーシングに簡単に取り付けて温度をモニターすることができます。

 このサーミスターの応答と、RCD-24シリーズLEDドライバのアナログ調光入力を使用して、非常にシンプルで低コスト、しかも信頼性の高い過熱保護回路を作成することができます(図4図5

 アナログ調光入力は外部電圧によって制御されるので、入力電圧を固定すれば、自動温度ディレーティング機能を実装するために必要な追加コンポーネントは、PTCサーミスターと2つの抵抗分圧器だけです。

 異なるディレーティング温度点が必要な場合でも、60℃から130℃まで10℃きざみで異なるしきい値温度のPTCサーミスターを選ぶことができるので、必要なのはLEDの仕様に合った適切な部品を選ぶことだけです。入力電圧を使用できる場合は、安定したリファレンス電圧を得るために、ツェナーダイオードかリニアレギュレーターを追加することができます。


図4:PTCサーミスター回路

図5:得られるLEDディレーティング曲線(赤線)

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