LEDの特性(4)輝度補正やRCDドライバを使用した回路案:DC-DCコンバーター活用講座(39)(1/5 ページ)
前回に引き続きLEDの特性に関して説明していきます。今回は、輝度補正およびRCDドライバを使用した回路案に関して解説します。
輝度補正
制御ループ内で温度検出を行ってLEDの温度を一定に維持できるのと同じように、光センサーを使用してLEDの光出力を一定に保つことができます。
全てのLEDは、時間とともにルーメン効率が低下します。従って、室内にLEDランプを取り付けて2カ月後に同じランプを追加すると、新しいランプは最初のランプよりほぼ5%明るくなります。
この問題に対するソリューションは、図2の例に示すフォトダイオードなどの光センサーを使用して、光出力を95%にディレーティングすることです。フォトダイオードの配線は、回路に入り込むノイズの量をできるだけ少なくするために、できるだけ短くする必要があります。R1は、LEDランプが新しい間、ICL7611レールツーレールオペアンプの出力電圧が約200mVになるように選びます。
時間の経過とともにLEDの光束効率が低下すると、帰還回路がLED電流を自動的に増やしてこれを補正します。安定最大光出力と調光の両方が必要な場合は、図2の回路案を変更することができます。
RCDシリーズのLEDドライバは、2つの調光入力を備えており、同時に使用できるのが大きな特長です。よって、アナログ調光入力はLED輝度補正に使用することができ、PWM入力はLEDを個別に調光するために使用できます。
図3に示す回路は、LEDがオンになっている時はトラックアンドホールド技術を使用して輝度補正帰還電圧レベルを保持しますが、LEDがオフになっている時はこの電圧レベルを無視します。従って、RCDに与えられる帰還電圧は、PWM調光入力とは無関係です。
10kΩの抵抗と10nFのコンデンサーによって生じるわずかな遅延は、オペアンプの出力電圧をサンプリングして470nFのコンデンサーに保存する前に、LEDドライバ出力の応答時間を確保します。
各コンポーネントの値は、個々のアプリケーションに合わせて最適化する必要があります。
光帰還のもう1つの一般的なアプリケーションは、周囲光センサーです。これは、LEDの光出力を一定に保つのではなく、周囲光レベルを測定して昼の明るい間はLEDの輝度を下げ、暗くなるに従ってLEDの輝度を増して、一定の光束量を保とうという考え方です。
よく使われる低コストの光センサーとしては、LDR(Light Dependent Resistor:光依存性抵抗)があります。これは、自然対数の光レベル(R=Lux×e-b)に対して線形応答を示し、いくつかのバイアス抵抗とともに使用して、簡単に必要な周囲光レベルを設定することができます。
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