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セラミックキャパシター(4) ―― 温度特性中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(48)(3/4 ページ)

セラミックキャパシターの温度特性について説明をしていきます。なお、今回、取り上げる温度特性はIEC規格クラス1やその日本版であるJIS規格のクラス1です。

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サブクラス

 ある公称温度特性における特性の偏差(バラツキ)の幅を区分けしたもので、温度範囲が+20℃〜+85℃でランク分けされています。IEC規格やJIS-C-5101-8:2018などでは1つの温度特性に対して2〜3のサブクラスが規定され、2文字のコード(1A,1B,1F)で分類されていますがこの記号は偏差を直接表すものではなく、単にサブクラスを表すだけの記号です。実際の偏差はサブクラスごとに割り当てられた文字コードで表します。

 実際のJISなどの公的規格書には付属書として表3のようなグラフが貼付されていますがこれらは下記の計算式によって算出されたものです。しかし厳密には直線にならないので容量の温度変化率の最大値は必要に応じて定義する必要があります。JISで規定されているのはカテゴリー温度上下端での変化率だけです。

 この温度変動の規制値はJIS-C-5101-8:2018では次のように3つの領域に分かれて規定されています。

1)上限温度での規制値
  ΔC/C(%)=(温度特性±偏差)×(上限温度-20)/10,000         …1式

2)下限温度での下側規制値
  ΔC/C(%)=(温度特性+偏差)×(下限温度-20)/10,000         …2式

3)下限温度での上側規制値
  ΔC/C(%)
   =[(-36-1.22×偏差)+(0.22×温度特性)+温度特性]×(下限温度−20)/10,000
   =[1.22×(温度特性-偏差)-36]×(下限温度−20)/10,000       …3式

 ここで温度特性は公称温度特性の値(10-6/K)であり、偏差(10-6/K)は絶対値です。

注)IEC/JIS定義では値は千分率表示(‰)ですが1式3式表3は分かりやすく百分率(%)に換算しています。

 1式3式を見ると1式2式は規定通りの直線になっていますが下限温度での上側規制値の3式だけがかなり緩くなっていることが分かります。決して対称の規制値になっていないことに注意してください。


表3:クラス1の各セラミックキャパシターの温度変動幅の規制値の例

 この付属書の横軸温度範囲はあくまでもグラフの範囲であって、カテゴリー温度や定格温度とは異なります。使用温度範囲は部品の仕様書が優先され、JISにはカテゴリー温度別に順守すべき上下限値が記載されています。ただし温度特性の規定範囲はEIAと少しだけ異なっています。

 またスパイク電圧除去用のCRスナバー回路などに用いられる表5のSL特性はクラス2の高誘電率系ではなくクラス1のグループに入ります。しかし温度特性は+140〜-1000(10-6/K)でかなり広く、また偏差の規定はなく温度特性も+20〜+85℃の範囲内でのみでしか規定されていませんので純然たるクラス1とは言えないかもしれません。またIEC規格では温度特性係数が+350〜-1000(10-6/K)と広くなっていますので置き換え時には注意が必要です。

注意
 表面実装用セラミックキャパシターについてはJIS-C-5101-21で規定されていますが一般のセラミックキャパシターとの大きな違いはサブクラスの定義が1つに限定されていることおよび、-2200〜-5600の拡張コードが規定されていない点です。その他は固有な規定を除いて一般用セラミックキャパシターと大差ありません。

 次回は説明を後回しにした高誘電率系のクラス2キャパシターの温度特性について説明します。

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