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交流インピーダンス測定の目的や原理LCRメーターの基礎知識(1)(2/6 ページ)

日常生活ではあまり気付かないが、交流インピーダンス測定はさまざまなところで行われている。今回の解説記事では、主に数メガヘルツまでの低周波の交流インピーダンスを測るLCRメーターについて解説する。

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理想的な抵抗、コンデンサー、インダクターの特性

 交流インピーダンス測定では理想的な抵抗、コンデンサー、インダクターを組み合わせて等価回路を設定する。理想的な抵抗、コンデンサー、インダクターがどのような特性を持っているかを述べる。

 理想的な抵抗は、直流でも交流でも電気の流れを抑制する特性は変化しない。一方、理想的なコンデンサーやインダクターは、周波数によって電気の流れを抑制する特性は異なる。コンデンサーでは周波数が高くなるに従って電気の流れを抑制することは少なくなる。一方、インダクターは周波数が高くなるに従って電気の流れを抑制するようになる。


図2:理想的な抵抗、コンデンサー、インダクターに直流と交流を印加した時に動作 出典:群馬大学電子情報理工学科講義資料「電子回路I−高周波回路入門−」(松浦裕之 2020年2月4日)

 交流を理想的な抵抗、コンデンサー、インダクターに印加したときの電圧と電流の位相は異なる。抵抗は電圧と電流の位相が一致する。このため、加えられた交流によって抵抗内で電力は消費されるため抵抗は発熱する。

 コンデンサーの場合は、印加された電流は電圧に対して位相が90度進む特性を持っている。インダクターの場合は、逆に印加される電流は電圧に対して位相が90度遅れる特性を持っている。コンデンサーやインダクターは電圧と電流の位相差が90度となるため、素子の中では電力は消費されないため発熱しない。


図3:交流を印加した時の理想的な抵抗、コンデンサー、インダクターの位相特性

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