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低周波のインピーダンス測定例とLCRメーターの校正:LCRメーターの基礎知識(3)(2/4 ページ)
今回は低周波のインピーダンス測定を行う事例について、LCRメーターを使う場合とロックインアンプや周波数特性分析器などを使う場合に分けて解説する。
トランス特性の評価
LCRメーターを使ってトランスの一次側と二次側のインダクタンス、漏れインダクタンス、巻線間容量、相互インダクタンス、巻数比を測定することができる。ただし多くのLCRメーターでは駆動電圧以上の測定はできない仕組みになっているため測定できない場合があるので注意が必要である。トランスの特性を測定する場合は巻線を短絡する作業や開放にする作業が発生するため専用の測定器がある。
ここではLCRメーターを使ってのトランスの相互インダクタンスを簡易的に測定する事例を示す。
コンクリートの水分測定
固体材料に含まれた水分と固体を挟んだ電極間のインピーダンスに相関があるため、LCRメーターを使って木材やコンクリートなどの固体に含まれる水分を非破壊で測定することができる。現場で使える専用の測定器も販売されている。
ここではコンクリートの水分を測定する事例を示す。
食用油の劣化測定
食品に含まれる油の特性をインピーダンス測定によって知ることができる。下記は食用油の劣化をLCRメーターよって測定する方法を示す。
業務用に使われる食用油は法律などで劣化の度合いを示す酸化値で管理が決められているため、酸化値と相関あるインピーダンス測定が使える。専用の測定器は販売されている。
磁性材料の複素透磁率測定
磁性材料の特性の一つである複素透磁率はLCRメーターで測定できる。リング状の空芯コイルと磁性材料をコアにしたコイルの特性をLCRメーターよって測定して、演算によって複素透磁率を求められる。
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