STM32向けカメラモジュールとソフトパッケージを発売:STマイクロ FP-AI-VISION1、B-CAMS-OMV
STマイクロエレクトロニクスは、同社の汎用マイクロコントローラー「STM32」ファミリー向けのソフトウェアパッケージ「FP-AI-VISION1」と、カメラモジュールキット「B-CAMS-OMV」を発表した。
STマイクロエレクトロニクスは2021年2月、同社の汎用マイクロコントローラー「STM32」ファミリー向けのソフトウェアパッケージ「FP-AI-VISION1」と、カメラモジュールキット「B-CAMS-OMV」を発表した。
FP-AI-VISION1は、マイクロコントローラー「STM32H747」上で畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を実施するコンピュータビジョンアプリケーションのサンプルコードを含んでおり、全てのSTM32に容易に移植できる。
また、開発者が選んだデータセットを用いてニューラルネットワークを再学習できるアプリケーションサンプルや、食品の分類時、低消費電力モードからシステムを再開する時に利用できるサンプルコードも備える。他に、画像取得向けのUSBビデオカメラ(ウェブカメラモード)をサポートする。
多様なフレームバッファ処理機能やカメラドライバ、画像取得、プリプロセッシング、ニューラルネットワークの推論処理といったソフトウェアを含んでおり、同社の人工ニューラルネットワーク向けCコード生成ツール「X-CUBE-AI」による浮動小数点ベースのモデルや量子化モデルなどのニューラルネットワークモデルを利用できる。メモリを柔軟に設定できるため、アプリケーションに応じた微調整にも対応する。
車載、赤外線などさまざまなカメラに使用可能
B-CAMS-OMVは、FP-AI-VISION1用に最適化されたカメラモジュールキットだ。5Mピクセルのイメージセンサー「OV5640」を搭載した同社のカラーカメラモジュール「MB1379」を同梱しており、アダプターカードに装着して使用できる。
同キットは、グローバルシャッター機能を搭載した同社の車載用カメラ「VG5661」に使用できる。WaveshareコネクターやOpenMVコネクターを介して、他社の赤外線カメラ、可視光カメラも取り付けられる。
FP-AI-VISION1は、同社のWebサイトより無償でのダウンロードが可能。B-CAMS-OMVは同社および販売代理店から入手可能で、参考価格は約56米ドルとなっている。
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