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定格電力と放熱性能が向上したシャント抵抗器:ローム GMR320
ロームは、定格電力10Wのシャント抵抗器「GMR320」を発表した。7.1×4.2mmと小型ながら、定格電力を上げつつ放熱性を高めたことで、車載機器や産業機器、白物家電の電源やモーターの大電流検出に適する。
ロームは2021年4月、シャント抵抗器「GMR」シリーズに、定格電力10Wの「GMR320」を追加した。7.1×4.2mmと小型ながら、定格電力を上げつつ放熱性を高めたことで、エンジンECU、ヘッドライトなどの車載機器や産業機器、白物家電の電源およびモーターの大電流検出に適する。既に量産を開始し、単価は330円(税込)だ。
定格電力10Wで、表面温度上昇を23%抑制
定格電力は端子温度70℃で10W、端子温度110℃で7Wとなっており、抵抗値5〜100mΩをラインアップしている。材料の見直しと高放熱構造により、一般品と比べて表面温度上昇を23%抑制。放熱性を高め、過電流負荷時も抵抗値の変化が小さく、安定した性能を発揮する。
抵抗体金属には高機能合金材料を採用し、低抵抗領域の抵抗温度係数(TCR)を±25ppm/℃に抑えた。精度と信頼性の高い電流検出を可能にする。
同時に、シャント抵抗器「PSR」シリーズの機能向上についても発表した。定格電力保証値に、新たに端子温度ディレーティングを採用し、保証値を最大15Wに広げた。TCRの規格値も改善している。抵抗値は0.1〜3.0mΩで、車載、産業機器のほか、リチウムイオンバッテリーにも適する。
使用温度範囲はGMRシリーズが−65〜+170℃で、PSRシリーズが−65〜+175℃。いずれも車載信頼性規格AEC-Q200に対応する。
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