プレヒーターを自作! もっと簡単に表面実装部品を外す方法:Wired, Weird(2/3 ページ)
以前、300Wヒートガンを使用して表面実装部品を取り外す方法を紹介した。ただ、ヒートガンは連続使用するといろいろ不具合が生じる欠点があった。そこで、プレヒーターを自作して、ヒートガンの使用時間を短縮するように試みた。今回は、その様子を報告していこう。
プレヒーターを試す
さて、プレヒーターでどのように表面実装部品を外す作業をするかというと、まずプレヒーターの上に基板を直接に載せ、AC100Vを通電して基板で外す表面実装部品の近くのハンダ面を加熱する。3分ほど待って、プレヒーターの温度が上がった後に300Wのヒートガンで加熱して表面実装部品を外すという流れだ。作業の様子を図5に示す。
図5左は基板をプレヒーターの上に乗せて、外す表面実装部品のリードの下に取り外し用のおおよそ0.5mm径の金属棒を差し込んで基板をプレヒートする。3分ほど待ち、基板が温まった後に300Wヒートガンで表面実装部品のリードに熱風を当て、リードの位置を変えて加熱する。表面実装部品のハンダが溶けるとICの下に差し込んだ金属棒でICが自動的に浮く。この方法で1個目は30秒ほどの加熱で基板からICを取り外せた。その様子を図6に示す。
図6左は1個目のICを外したもので、図6右は3個目を外したものだ。2個目と3個目では既に1個目の作業時に基板がヒートガンの熱を受けて温度が上がっており20秒ほどで取り外すことができた。取り外し面の拡大写真と梱包ケースの写真を図7に示す。
図7左はICを取り外した基板部分の拡大写真だ。ICを取り外した場所のハンダの状態を詳細に確認すると15ピンのパターンのハンダが取れていた(図7左に赤四角で示した部分)。表面実装部品を取り外すタイミングが、少し早かったようだ。しかし、パターンにはダメージはなかった。図7右は梱包箱だが、表面実装部品を外す基板がプレヒーターと梱包箱の上に置けるようにプレヒーターと梱包箱の高さを合わせている。
この方法であれば基板へのダメージは少なく、より簡単に表面実装部品が取り外せ、300Wヒートガンを使う時間も短くなって省エネにもなる。ただしプレヒーターとは言っても200℃近くの高温になるのでやけどには注意が必要だ。
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