電磁気学の基礎
導体に電圧が印加されると電界が、電流が通過すると磁界が発生します。磁界には、磁界強度Hと磁束密度Bの2つの特性があります。単線またはPCB配線に対して、磁界強度は単にそれに流れる電流と導体からの距離(磁力線の長さ)に比例し、アンペア/メートル(Am-1)の大きさをもちます。磁界強度は導体の材料によって変化しないので、例えば電線やパターン配線が銅、銀、金メッキと異なっても同じです。導体を巻いてコイルとした場合、以下の式が示すように、磁界強度は巻き数に比例して増加しますが、使用した導体材料には影響されません。
磁束密度は、ソレノイドの周りの磁界強度の「等高線」として表現できます(図1)
磁束密度Bは、テスラ(NA-1m-1)で表し、磁界強度Hと(4πx10-7V.s.A-1m-1)を定数とする自由空間透磁率(μ0)の一次関数です。
しかしながら、コイルが鉄やフェライトコアのような磁性材料に巻いたものであれば、磁界はひずみ磁性材料に集中します。
全体の磁界強度は同じですが、わずかな空間に磁束が集中するので磁束密度は増加します。
比透磁率μrは一定ではありません。強磁性材料のHは線形従属的ではなく、磁界強度が高いともはや原理通りではありません。それゆえに、メーカーのデータシートに示されている値は、低電界強度で固定周波数(通常1kHz)、周囲温度25℃において測定された最良適合近似値(図3の青の破線)です。
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