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電磁気学入門(1)基礎〜磁界強度と磁束密度 DC-DCコンバーター活用講座(44)(1/2 ページ)

今回から「電磁気学入門」として基礎から解説していきます。

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電磁気学の基礎

 導体に電圧が印加されると電界が、電流が通過すると磁界が発生します。磁界には、磁界強度Hと磁束密度Bの2つの特性があります。単線またはPCB配線に対して、磁界強度は単にそれに流れる電流と導体からの距離(磁力線の長さ)に比例し、アンペア/メートル(Am-1)の大きさをもちます。磁界強度は導体の材料によって変化しないので、例えば電線やパターン配線が銅、銀、金メッキと異なっても同じです。導体を巻いてコイルとした場合、以下の式が示すように、磁界強度は巻き数に比例して増加しますが、使用した導体材料には影響されません。


式1:ソレノイドの場合、磁束密度(B)は透磁率×有限長ソレノイドの巻き数(N/l)×電流になる

 磁束密度は、ソレノイドの周りの磁界強度の「等高線」として表現できます(図1


図1:ソレノイドの断面図と磁界強度の等高線

 磁束密度Bは、テスラ(NA-1m-1)で表し、磁界強度Hと(4πx10-7V.s.A-1m-1)を定数とする自由空間透磁率(μ0)の一次関数です。


式2:磁束密度

 しかしながら、コイルが鉄やフェライトコアのような磁性材料に巻いたものであれば、磁界はひずみ磁性材料に集中します。


図2:ソレノイドの断面図と磁界強度等高線の集中

 全体の磁界強度は同じですが、わずかな空間に磁束が集中するので磁束密度は増加します。


式3:比透磁率μrと磁性材料の磁束密度

 比透磁率μrは一定ではありません。強磁性材料のHは線形従属的ではなく、磁界強度が高いともはや原理通りではありません。それゆえに、メーカーのデータシートに示されている値は、低電界強度で固定周波数(通常1kHz)、周囲温度25℃において測定された最良適合近似値(図3の青の破線)です。


図3:自由空間透磁率、強磁性コアの磁束密度Bと磁界強度Hの比較

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