モバイル機器向け薄膜コモンモードフィルター:TDK TCM0403Mシリーズ
TDKは、モバイル機器に適した薄膜コモンモードフィルター「TCM0403M」シリーズの量産を開始した。外形寸法は0.45×0.3×0.23mmと小型ながらコモンモード減衰特性に優れ、高速差動インタフェースのノイズ対策に適する。
TDKは2021年8月、モバイル機器に適した薄膜コモンモードフィルター「TCM0403M」シリーズの量産を開始した。0.45×0.3×0.23mmと小型ながらコモンモード減衰特性に優れ、USB、MIPI、HDMIなど高速差動インタフェースのノイズ対策に適する。「TCM0403M-120-2P-T210」「TCM0403M-350-2P-T210」の2製品を提供する。
0403サイズで面積58%、重量56%削減
既存の「TCM0605」シリーズと比べ、面積を58%、重量を56%削減した。パターン技術の改良と設計の最適化により、コモンモード減衰特性は既存品と同等で、外部からの侵入ノイズを抑え、信号の受信感度の低下を防ぐ。高速信号伝送に対応したディファレンシャル伝送特性も備え、モード変換特性(Scd21)も良好。
コモンモード減衰量は代表値で、TCM0403M-120-2P-T210が2.4GHz時に21dB、TCM0403M-350-2P-T210が5.0GHz時に28dB。直流抵抗はTCM0403M-120-2P-T210が1.0Ω、TCM0403M-350-2P-T210が2.0Ωとしている。定格電流は最大50mA、定格電圧は最大5V、絶縁抵抗は最小10MΩ、動作温度範囲は−25〜+85℃となる。
ウェアラブル機器、スマートフォン、タブレット端末などモバイル機器での利用を見込む。サンプル単価は30円で、当面は月産1000万個の体制で生産する。
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