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スペクトラムアナライザーの構造と基本的な設定:スペクトラムアナライザーの基礎知識(2)(2/5 ページ)
今回はスペクトラムアナライザーの構造や基本的な設定、仕様上の注意点について解説を行う。
スペクトラムアナライザーの基本的な設定
現在販売されているスペクトラムアナライザーは多くの機能を持つため、設定項目は複雑になっている。ここでは最も基本的な使い方をする際に設定する項目について説明する。
周波数範囲の設定
スペクトラムアナライザーは観測したい周波数の範囲を設定する。その際には中心周波数を設定したのちに観測したい周波数範囲(スパン)を設定する方法と、掃引の起点となる周波数(スタート周波数)と終点となる周波数(ストップ周波数)を設定する2つの方法がある。
アッテネータの設定
スペクトラムアナライザーは入力信号に含まれる周波数成分を観測するものであるため、スペクトラムアナライザー内部で発生するひずみが小さくなるようにアッテネータによって信号レベルを最適に設定する。下図に入力信号のレベルが高すぎて測定器内部でひずみが生じた例を示す。
また、アッテネータによる減衰量を大きくすると測定器内部に入力される信号も小さくなり、ノイズフロア(測定器内部で発生する雑音の平均値)と信号の差は小さくなるので注意が必要である。
【ミニ解説】dBmとは
スペクトラム解析では電力で振幅差の非常に大きい信号を取り扱う必要があるため、1mWを基準(=0dBm)としてP(dBm)=10×log10(P(mW))で変換した単位系である"dBm(デービーエム)"という単位がよく使われる。例えば1Wの場合は、P(dBm)=10×log10(1000mW)=30dBm、1µWの場合、P(dBm)=10×log10(0.001mW)=-30dBmと表現される。
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