小型IoTエンドポイント機器向けRAマイコン:ルネサス RA2E2グループ
ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RA」ファミリーとして、小型IoTエンドポイント機器向けの「RA2E2」グループを開発した。小型で低消費電力のため、ウェアラブル機器、医療機器、家電製品、産業オートメーションなどに適する。
ルネサス エレクトロニクスは2021年10月、同社の32ビットマイコン「RA」ファミリーを拡充して、小型のIoT(モノのインターネット)エンドポイント機器向けに開発した「RA2E2」グループの量産を開始した。小型で低消費電力のため、ウェアラブル機器、医療機器、家電製品、産業オートメーションなどに適する。
動作時電流は81μA/MHz、スタンバイ電流は200nA
RA2E2グループは、最大48MHz動作の「Arm Cortex-M23」コアを採用し、16〜64Kバイトのフラッシュメモリ、8KバイトのSRAMを搭載する。動作時電流は81μA/MHz、スタンバイ電流は200nAで、スタンバイモードから高速起動できる。さらに、I3Cインタフェースを介して最大4.6Mビット/秒の高速通信にも対応する。動作電圧は1.6〜5.5Vだ。
また、暗号アクセラレーター、真性乱数発生器(TRNG)、メモリ保護ユニットなどのセキュリティ機能を有する。動作温度範囲は−40〜+125℃。2Kバイトのデータフラッシュメモリ、オンチップオシレーター、内部リセット、低電圧検出器、温度センサーを内蔵しているので、BOMコストを削減できる。
1.87×1.84mmの超小型16ピンWLCSPや、20ピン、24ピンQFNなど9製品をラインアップする。評価キット「EK-RA2E2」もあり、Flexible Software Package(FSP)やIDEを使用して、組み込みシステム向けアプリケーションの迅速な開発を可能にする。
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