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オシロスコープが届いたら最初にすること初めて使うオシロスコープ(1)(3/6 ページ)

今回の連載記事は、オシロスコープの世界的なトップメーカーであるテクトロニクスの協力を得て、初めてオシロスコープを使う人を対象にエントリーモデルの「TBS2000B(2chモデル)」を事例にして基本的な使い方や使用上の注意点を解説していく。

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オシロスコープの前面パネルにあるキーや端子

 オシロスコープの前面パネルには多くのキーやダイヤルが付いている。オシロスコープは長い歴史のある測定器であるため、基本的なパネルのデザインはアナログオシロスコープの時代から大きく変わっていない。


図10:1984年発売のテクトロニクス社のアナログオシロスコープ(2465B)のパネル

 操作パネルは大きく分けて3つある。1つ目は電圧軸のカップリングや感度を設定する部分、2つ目は時間軸を設定する部分、3つ目はトリガーを設定する部分である。この考え方は最新のデジタルオシロスコープでも変わっていない。このため、アナログオシロスコープを使った経験のある人にとってはデジタルオシロの操作は容易だ。

 TBS2000Bのパネルは、下図のようになっている。


図11:TBS2000B(2chモデル)の操作パネル

 アナログオシロスコープの時代は1つのキーが1つの機能に対応していたため、パネルにあるキーの数は最新のデジタルオシロスコープのTBS2000Bに比べて多くなっている。TBS2000Bでは液晶画面上に機能を表示して選択するメニュー構造になっているためキーの数は少なくて済むが、操作をスムーズに行うには操作体系をあらかじめ理解しておくことが必要になる。

 TBS2000Bの入力端子と昔のアナログオシロスコープの入力端子の形状は異なっている。オシロスコープにはさまざまなプローブが使えるようになっている。プローブへの電源供給や接続されたプローブと通信をするための端子が用意されている。オシロスコープメーカーによってプローブインタフェースの構造は異なるため、メーカーが用意したプローブインタフェースに適合するプローブを選ぶ必要がある。

 デジタルオシロスコープでは、波形情報を画面に表示させるだけではなく、USBメモリに記録してPCに波形画像や波形データを移すことができる。そのためのUSBメモリポートが前面パネルにある。

オシロスコープの背面パネルにある端子

 オシロスコープの背面には、電源コネクターと通信用のコネクターがある。TBS2000Bは交流100〜240Vで動作するので、電源プラグの形状があう電源コードを用意すれば世界のどこでも利用ができる。

 測定器とPCなど制御装置を接続するために、TBS2000BではEthernetとUSBの有線通信インタフェースが標準で用意されている。USBポートにWi-Fiアダプターを接続すれば、PCと無線通信で接続ができる。


図12:Wi-Fiアダプターを使った無線通信インタフェース

 現在では利用は減ったが、測定システムを構築するのにGPIB通信が使われることがある。TBS2000BをGPIB通信する場合は、テクトロニクスから供給されているGPIB-USB 変換アダプター(TEK-USB-488)を利用する。

 TBS2000Bには、ノートPCなどにある盗難防止のためケンジントンロック用の穴が用意されている。盗難防止以外に、オシロスコープが机から落下して破損するのを防ぐことにも使える。

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