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オシロスコープが届いたら最初にすること初めて使うオシロスコープ(1)(4/6 ページ)

今回の連載記事は、オシロスコープの世界的なトップメーカーであるテクトロニクスの協力を得て、初めてオシロスコープを使う人を対象にエントリーモデルの「TBS2000B(2chモデル)」を事例にして基本的な使い方や使用上の注意点を解説していく。

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オシロスコープ内部が冷却できるようにして使う

 TBS2000Bの背面パネルには通気用の開口部がある。冷却がスムーズにできるように50mm以上の隙間を取る必要がある。また、通気口にほかの測定器などから熱風が吹き付けられていないことも必要である。


図13:TBS2000B(2chモデル)の内部

【ミニ解説】プローブインタフェース

 一般に使われているオシロスコープは、BNCコネクターから信号が入力されるようになっている。標準添付の受動電圧プローブを使うだけであれば、BNCコネクター入力のオシロスコープで十分である。テクトロニクスで最もシンプルなオシロスコープのTBS1000Cの信号入力部は、BNCコネクターだけである。


図14:プローブ認識機能を持たないテクトロニクスTBS1000C

 さまざまな測定対象に対応するために、オシロスコープにはさまざまな種類のプローブが接続される。高電圧差動プローブ、アクティブ電圧プローブ(FETプローブ)、電流プローブなどではプローブに電源を供給する必要がある。過去にはこれらのプローブを使うときは外部にプローブ用電源を用意する必要があった。現在でもプローブ用電源を必要とするプローブは販売されている。

 最近のオシロスコープでは、本体からプローブインタフェースを経由してプローブに電源を供給するようになっている。テクトロニクスでは1969年にプローブの減衰比を検出するだけのTekProbe LEVEL1が登場し、1986年にTekProbe LEVEL2という高機能化したプローブインタフェースを持つ製品が発売された。テクトロニクスの最近のオシロスコープは、2006年に登場したTekVPIというプローブインタフェースを採用しているものが多い。TBS2000BはTekVPIを採用しているため、電源を必要とするプローブを利用する場合は便利である。その他、プローブインタフェースを経由してプローブの状態把握や制御も行うことができる。

 プローブインタフェースは各社固有の仕様であるため、メーカーの違うオシロスコープには接続できない。テクトロニクスのTekVPIには下記の3つのタイプがあるため、プローブを選定する際は注意が必要である。


図15:3つの種類があるTekVPIインタフェース

Autoset機能を使ってCAL信号を観測する

 オシロスコープには、受動電圧プローブを調整するためのCAL端子が用意されている。CAL端子からはデューティー比50%のパルス波が出力されている。TBS2000BではCAL端子に「Probe Comp」という表示がされており、約5Vの1kHzの方形波信号が出力されている。

 今回は、プローブを用いCAL信号を一番簡単な「Autoset機能」を使って波形を観測する。操作は簡単で、まずプローブをCAL端子に接続する。その後、工場出荷時設定にするDefault Setupキーを押してから Autosetキーを押すだけである。


図16:受動電圧プローブのCAL端子への接続とAutosetの実行

 Autoset機能が実行されると、画面にCAL端子のパルス信号が表示される。


図17:Autoset実行後のCAL端子波形

 Autoset機能は、オシロスコープの使い方をよく知らない人でも単純な波形を観測するには便利な機能である。しかし複雑な波形ではAutosetでは観測したい波形を画面に表示することが困難であることを知っておく必要がある。

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