Arm Cortex M33搭載のBLE SoC:インフィニオン AIROC CYW20829
インフィニオン テクノロジーズは、Bluetooth Low Energy(LE)SoC「AIROC CYW20829」を発表した。IoTやスマートホーム、産業用途向けのBluetooth 5.3コア仕様に準拠するほか、「Arm Cortex M33」を採用しており、低消費電力と高性能演算を両立する。
インフィニオン テクノロジーズは2022年1月、Bluetooth Low Energy(LE)SoC(System on Chip)「AIROC CYW20829」を発表した。一部の顧客向けに、既にサンプル出荷を開始している。
同製品は、IoT(モノのインターネット)やスマートホーム、産業用アプリケーション向けのBluetooth 5.3コア仕様に準拠している。送信出力10dBmのパワーアンプを搭載しており、受信感度はLEで−98.5dBm、LE-LRで−106dBm 125Kビット/秒となっている。
2つのArm Cortex M33を搭載
同社の「AIROC」ブランドでは初めて、「Arm Cortex M33」を採用。BluetoothコントローラーとしてArm Cortex M33コアを1つ用いたほか、開発アプリケーション向け専用に浮動小数点演算ユニットを内蔵したもう1つのArm Cortex M33コアを搭載する。最大96MHzまでクロックアップ可能で、低消費電力と高性能な演算を両立する。
アプリケーションサブシステムは、UARTやI2C、SPIに変更できるコンフィギュラブルシリアル通信ブロックや、複数のタイマーおよびカウンターパルス幅変調器、I2S、PDM、CAN、LINインタフェースと統合した。
セキュリティでは、ROMベースのRoot-of-TrustやTRNG、カスタム鍵用のeFuse、暗号アクセラレーションをプラットフォームアーキテクチャに搭載している。外部フラッシュからのXIPやフラッシュ上のコンテンツのオンザフライ暗号化にも対応する。
設計環境として、Bluetooth対応のIoTソリューション開発向けにソフトウェアやツールを提供する、同社の「ModusToolbox」が利用可能だ。
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