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安全に使うための注意点と単発現象の測定初めて使うオシロスコープ(3)(2/4 ページ)

本連載は初めてオシロスコープを使う人を対象にその基本的な使い方や使用上の注意点を解説していく。今回は、オシロスコープを安全に使うために注意すべき点と、単発現象の測定方法について説明する。

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オシロスコープに入力できる最大電圧

 下記のTBS2000B本体の入力端子には、IEC 60664-1に規定されている過電圧カテゴリーが「≦300V RMS CAT II」と示されている。カテゴリー番号が大きいほど配電線に近いところで使える測定器を意味する。


図5:入力端子の下に表示された過電圧カテゴリー表示

 TBS2000Bに書かれたカテゴリー表示の意味は「最大過渡(サージ)電圧2500Vまで耐える設計」になっており、オシロスコープの測定対象は、コンセントから電源供給される機器の内部までであることを示している。

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 ただし、TBS2000B本体の仕様で許容されている入力電圧は300VRMS以下で、ピーク電圧が±450V以下であるため、これ以上の電圧を本体に直接入力しないようにしなければならない。10:1の受動電圧プローブを使った場合は、測定対象の信号は10分の1に減衰されて本体に入力される。高い電圧を測定する場合は、プローブに許容された最大電圧の仕様を確認する必要がある。

受動電圧プローブの取り扱いは丁寧に

 オシロスコープの受動電圧プローブに使われている同軸ケーブルは、浮遊容量を小さくするために芯線が細い電線となっている。同軸ケーブルを無理に曲げたり、ケーブルに強い力を加えたりした場合、破損することがある。

 受動ケーブルを保管する際は、ケーブルを下記のような状態にしておくことが必要である。


図6:受動電圧プローブを保管する際のケーブルの巻き方

電源品質にも注意

 日本国内ではコンセントから得られる電源品質は安定しているため注意する必要はないが、海外の電源環境がよくない地域では、サージノイズや瞬低などがありオシロスコープが安定して動作しない場合がある。このような地域でオシロスコープを使う場合は、安定化電源装置と組み合わせて使うことを検討する必要がある。

 また、国内では屋外でオシロスコープを使う場合に、自動車の直流12V電源から車載用DC-ACインバーターを使って交流100Vを得ることがある。DC-ACインバーターには正弦波出力のものと矩形波出力のものがある。測定器などは正弦波の電源波形で動作するように設計されているので、正弦波出力のDC-ACインバーターを利用する。

【ミニ解説】デジタルマルチメーターは入力が絶縁されている

 デジタルマルチメーターの入力の測定端子はケースと導通していないので、測定リードを交流電源のコンセントに接続しても問題はない。

 デジタルマルチメーターの内部は下図のようになっており、制御信号、測定データ、駆動電源はいずれもフォトカプラやトランスを使って絶縁している。このため、入力端子は人が触れる可能性があるケースとは電気的につながっていない。


図7:デジタルマルチメーターの構造[クリックで拡大]

 デジタルマルチメーター以外にも、記録計やメモリレコーダーも絶縁入力となっている。ただし、メモリレコーダーでは一部の入力モジュールはオシロスコープと同じ非絶縁入力となっている。

 また、オシロスコープには入力が絶縁された製品があり、コモンモード電圧が異なる箇所の波形測定や商用交流電源の波形観測に使われている。


図8:入力が絶縁されたオシロスコープTPS2000B(テクトロニクス)

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