PCIe Gen6対応のクロックバッファーとマルチプレクサ:ルネサス RC190xx、RC192xx
ルネサス エレクトロニクスは、PCI Express 6.0に対応したクロックバッファー「RC190xx」11製品とマルチプレクサ「RC192xx」4製品を発売した。付加ジッタが4フェムト秒と低く、余裕のあるタイミング設計が可能だ。
ルネサス エレクトロニクスは2022年4月、PCI Express 6.0(Gen6)に対応したクロックバッファー「RC190xx」11製品とマルチプレクサ「RC192xx」4製品を発売した。
これらの製品は、付加ジッタが4フェムト秒と低く、システムで許容されるジッタバジェットへの影響が小さい。RMSジッタで100フェムト秒未満が求められるPCI Express 6.0においても、余裕のあるタイミング設計が可能だ。
SMBusアドレスを選択可能
RC190xx、RC192xx製品は、SMBusアドレスを選択可能で、複数のデバイスを使用できる。また、システムのセキュリティを高めるSMBusライトプロテクト機能や、システムの冗長性や監視をサポートするLOS(信号喪失)出力を備える。
4線式のサイドバンドインタフェースも搭載。高速シリアル出力の有効化、無効化やデバイスのデイジーチェーン接続に対応する。他に、システムに異常が生じた際の正常動作を確保すべく、PDT(Power Down Tolerant)機能やFSS(Flexible Start-up Sequencing)機能を備えた。
入出力遅延は1.4ナノ秒、出力間スキューは35ピコ秒、100kHz時のPSRR(電源電圧変動除去比)が80dBとなっている。
パッケージサイズは3×3mm〜10×10mmで、従来製品と比べて30%省スペース化できる。RC190xxは4、8、13、16、20、24出力、RC192xxは2、4、8、16出力の製品をラインアップする。
同社のクロックジェネレーターと組み合わせて用いることで、データセンターやネットワーキング、クラウドコンピューティング、産業用途に適したPCIe Gen6用タイミングソリューションの構築が可能となる。
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