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光ファイバー通信の概要と分光測定器の基礎光スペクトラムアナライザーの基礎知識(1)(8/9 ページ)

今回の連載では分光測定器の1つであり、光ファイバー通信分野の開発では必須の測定器となっている光スペクトラムアナライザーについて解説していく。まず、「光ファイバー通信の概要」「分光測定器の基礎」「レーザ光を使う際の注意点」について説明する。

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光ヘテロダイン分光計

 無線通信の分野で使われるスペクトラムアナライザーと同様に光の周波数差(ビート信号)を用いてスペクトルを測定する方法が、光ヘテロダイン分光計である。光ヘテロダイン分光計では、既知の波長(周波数)の光(ローカル光)と測定する未知の波長(周波数)の光を合波した後に、光センサーを用いて光の周波数差から得られるビート信号を電気信号に変換して、光スペクトルを求めている。ローカル光の波長を変化させることによって、波長掃引を行う。ローカル光となる波長可変光源の線幅程度まで波長分解能を向上させることができるが、波長を幅広く変化させることはできないので用途が限られる。光ヘテロダイン分光計のブロック図の例を下図に示す。


図19:光ヘテロダイン方式の分光計の構造[クリックで拡大] 出所:Swept coherent heterodyne techniques provide high resolution(Val McOmber、2002年5月、LaserFocusWorld)ほかを参考に作成

分散分光方式の光スペクトラムアナライザー

 分散分光方式の光スペクトラムアナライザーは、光ファイバー通信で使用する部品や装置などの測定で、幅広い要求を満足できる測定器である。最近は、光ファイバー通信分野以外で使われる光学部品や光源の評価にも使われるようになってきている。

 分散分光方式の光スペクトラムアナライザーには、回折格子を回転させて1つのセンサーで受光するモノクロメーターと、回折格子を固定して複数のセンサーで受光する可動部のないポリクロメーターがある。


図20:分散分光方式の光スペクトラムアナライザーの外観(AQ6370D、横河計測)

 光スペクトラムアナライザーとして販売されている測定器には、回折格子を組み込んだもの以外にマイケルソン干渉計や光ヘテロダイン分光計で構成されたものがあるため、機種を選定するときは注意が必要である。

 また、操作パネルや表示部がない分光計とPCを組み合わせて使う光スペクトラムアナライザーもある。

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