サーボモーターを高速高精度に制御するMPU:ルネサス RZ/T2M
ルネサス エレクトロニクスは、サーボモーター制御用MPU「RZ/T2M」の量産を開始した。モーターのリアルタイム制御と産業ネットワーク通信を1チップ化し、ACサーボや産業用ロボットの高速化、高精度化に貢献する。
ルネサス エレクトロニクスは2022年6月、サーボモーター制御用MPU(マイクロプロセッサユニット)「RZ/T2M」の量産を開始したと発表した。ACサーボ、インバーター、産業用ロボットの高速化、高精度化に貢献する。
モーター制御用CPUとネットワーク用CPUを1チップに搭載
RZ/T2Mは、最大動作周波数800MHzで機能安全対応を備えた「Arm Cortex-R52」を2つ搭載し、モーターのリアルタイム制御と産業ネットワーク通信を1チップで処理する。
CPU直結の専用バスにはモーター制御向けの周辺機器を配置し、ECC機能を備えた576KバイトのメモリをCPUと密結合することで、低遅延のアクセスと高速応答処理を可能にした。また、EtherCAT、PROFINET RT、EtherNet/IP、PROFINET IRTといった産業ネットワーク通信プロトコルに加えて、次世代ネットワーク規格「TSN(Time-Sensitive Networking)」に対応し、複数の機器を同期できる。
動作温度範囲は−40〜+125℃。機能安全処理を考慮した設計のため、安全監視用の外付けマイコンは1つで済み、BOMコストやスペースの削減に貢献する。初期評価向け評価用ボード「Renesas Starter Kit+ for RZ/T2M」も発売中だ。
また、RZ/T2M単体の自己故障診断機能付き「認証済みセルフテストソフトウェア」、マイコン二重化構成を前提とした相互診断、ソフトウェア分離機能でSIL3認証を取得したソフトウェアを含む「SIL3システムソフトウェアキット」などを、2022年中に提供する予定だ。
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