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光スペクトラムアナライザーの利用事例と校正光スペクトラムアナライザーの基礎知識(3)(2/5 ページ)

光ファイバー通信分野の開発では必須の測定器となっている光スペクトラムアナライザーについて解説する連載最終回。今回は光スペクトラムアナライザーの「利用事例」と「校正」について説明する。

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光ファイバー増幅器の測定

 遠距離の光ファイバー通信を行う際には、光ファイバーによる減衰を補償するために光ファイバー増幅器が伝送路の途中に挿入されている。太平洋を横断するような光海底ケーブルでは、多くの光ファイバー増幅器が使われている。

 光ファイバー増幅器の測定方法はJISC6122に掲載されている。下図にはJIS規格に掲載されている光スペクトラムアナライザーを使っての測定事例を示す。


図4:光スペクトラムアナライザーによる光ファイバー増幅器の測定[クリックで拡大]

【ミニ解説】光ファイバー増幅器の構造

 光ファイバー増幅器は光をそのまま増幅する装置である。希土類の一種であるエルビウム(元素記号はEr)を石英ガラスファイバーにドープ(添加)した、エルビウムドープ光ファイバーが使われる。光ファイバー通信に使われている1.55μmの光に0.98μmもしくは1.48μmの半導体レーザーによる励起光源からの光を合波し、エルビウムドープ光ファイバーに導入すると、誘導放出によって1.55μmの光が増幅される原理を使っている。

 増幅する光波長が異なれば石英ガラスファイバーにドープされる元素は異なってくる。


図5:1.55μm帯の光ファイバー増幅器の構造[クリックで拡大] 出所:光ファイバーンプ励起用高出力レーザーモジュール(発見と発明のデジタル博物館、日本学術振興会)

 光ファイバー通信で使われているエルビウム添加光ファイバー増幅器は、東北大学電気通信研究所の中沢正隆教授が1989年に世界で初めて小型で実用的なものを開発した。この成果が現在の光ファイバー通信を普及させた要因の1つになっている。


光トランシーバーの測定

 光ファイバーを使って信号を伝送する際には、電気信号と光信号を双方向で変換する光トランシーバーが使われる。光トランシーバーのなかで普及しているのが、GPON(Gigabit Passive Optical Network)やGEPON(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)である。日本国内で普及しているFTTH(Fiber To The Home)を実現するために、光トランシーバーが使われている。また、データセンター内での機器間のデータ伝送にも光トランシーバーが使われている。

 GPONやGEPONの通信インタフェースの試験方法は規格で定められている。その中には光スペクトラムアナライザーを使っての中心波長およびスペクトラム幅の試験がある。下図はJISC5954-4規格に示されているGPONの試験方法である。


図6:GPON用光トランシーバーの中心波長及びスペクトラム幅の試験[クリックで拡大]

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