連載
光スペクトラムアナライザーの利用事例と校正:光スペクトラムアナライザーの基礎知識(3)(3/5 ページ)
光ファイバー通信分野の開発では必須の測定器となっている光スペクトラムアナライザーについて解説する連載最終回。今回は光スペクトラムアナライザーの「利用事例」と「校正」について説明する。
光変調器のスペクトル測定
光ファイバー通信の伝送容量を上げるために、強度変調と位相変調を組み合わせた多値変調を行うようになってきた。変調の種類によって伝送信号の光スペクトルは異なってくる。詳しく知りたい場合は「TR-GSup.39 光伝送システムの開発と技術的考察(情報通信技術委員会)」を参照されるのがよい。
光変調に使われる変調器を評価する際には、下図のような仕組みで光スペクトルを測定する。なお、この測定に使われる光スペクトラムアナライザーは高分解能が要求される。
光ファイバーの偏波モード分散の測定
シングルモード光ファイバーを使って長距離の信号伝送を行う場合は、波長分散と偏波モード分散が到達する信号の品質を劣化させる要因となる。この中で偏波モード分散の測定には固定アナライザー法、ストークスパラメーター法、干渉法の方法がJISC6842「光ファイバー偏波モード分散試験方法」に示されている。固定アナライザー法では光スペクトラムアナライザーが使われる。
WDMシステムの評価
複数の波長を使って構築するWDMシステムでは、各波長の光信号が規定された波長範囲であり、各波長のレベルが適切でかつ、光信号対雑音比(OSNR:Optical. Signal to Noise Ratio)が確保されているかを評価する必要がある。その際に光スペクトラムアナライザーが利用される。
WDMシステム評価装置は開発や生産の現場で使われている。下図はWDMシステムに使われる光増幅器を評価する場合の構成である。
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