デジタルマルチメーターが届いたら最初にすること:初めて使うデジタルマルチメーター(1)(3/5 ページ)
長い測定器の歴史の中で、デジタル化が最初にされたのは周波数カウンターとデジタル電圧計である。デジタル電圧計は、電圧以外の測定もできるデジタルマルチメーターと進化して広く使われている。今回はキーサイト・テクノロジーの協力を得て、最新のベンチトップ型の6.5桁デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する。
電源の投入と日付時刻の設定
デジタルマルチメーターに電源ケーブルを接続して利用する準備を行う。デジタルマルチメーターを安全に使うためには、本体のケース電位を接地電位にする必要がある。このため、電源ケーブルは3ピンのものを利用して接地が確実にされるようにする。ケースが安定した接地電位になっていれば、外部のノイズなどの影響も受けにくくなる。
日本では接地端子が付いている3ピンのコンセントではなく、接地端子がない2ピンのコンセントがよく使われている。低電圧の測定では感電による危険はないので接地を取らないで利用しても安全上問題はないが、高電圧の測定をする場合は、安全のため接地が取れる3ピンコンセントからの給電が必要となる。
本体の電源スイッチをオンにすると自己診断や初期設定が始まり、液晶パネルには下図のような表示がされる。画面下のバーグラフが処理の進捗を示す。
電源オン時の処理が終わった後、最初にする操作はデジタルマルチメーター内部にある時計の設定である。USBメモリに測定結果を保存する際には、デジタルマルチメーター内部の時計の日付時刻が記録される。デジタルマルチメーター内に電池があるため、本体の電源を切っても時計は動作している。そのため、購入した時点および電池を交換した時だけ時計を設定する。
日付時刻を設定するために、デジタルマルチメーターの前面パネルの「Shift」キーを押してから「Utility」キーを押す操作を行ってUtility画面を呼び出すと、下図のような表示となる。
この中に「System Setup」キーがあり、さまざまな設定が可能となっている。「System Setup」の設定は下図のような構造になっている。この中に日付時刻を設定する機能がある。
下図に示すように「System Setup」画面を経由して「Date/Time」画面を呼出して、日付時刻の設定を行う。
これでデジタルマルチメーターを使うための準備が完了する。
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