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マイコンの仕様を超える条件で使ったら、何が起きる?【後編】ハイレベルマイコン講座(2/5 ページ)

本記事では、マイコンにストレスを与え続けて動作させた場合、どのような不良現象が現れるかを2回にわたり詳しく解説する。第2回となる今回は、前回まとめた「不良現象のメカニズム」の各項目について詳しく解説する。

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(2)オーミック接触不良

 PN接合以外の抵抗性接触部の劣化によっても、PN接合の劣化と同様の不良が発生する。PN接合部以外の接触部とは、メタル配線層間やメタル配線層と拡散層を接続するコンタクトホール(ビアホール)を指す(図2参照)。コンタクトホールとメタル配線層、またはコンタクトホールと拡散層の接合部がオープンになると論理動作で誤動作を起こす。また、完全なオープンでなくても、抵抗値が増大するだけでアナログ動作に影響を及ぼす。

 これも、二度と正常には戻らない不可逆現象だ。


図2:CMOSの配線層[クリックで拡大]

(3)金属間化合物不良

 金属間化合物不良は、2種類以上の金属によって構成される化合物による不良で、マイコンの場合はボンディングワイヤとボンディングパッドの接合部の不良を指す(図3参照)。ボンディングワイヤはマイコン外部とシリコンチップ(ダイ:Die)をつなぐ配線なので、ここがオープンになると、電源はもとより、外部からの信号もシリコンチップに届かない状態になり、マイコンは全く動作しない。このような不良を端子のオープン不良と呼ぶ。これも、二度と正常に戻らない不可逆現象だ。


図3:ボンディングワイヤとボンディングパッド(金属間化合物不良の説明)[クリックで拡大]

(4)表面汚染

 試験中に、マイコンの取り扱いに気を付けないとパッケージが汚れる。例えば、温度サイクル試験などで高温/低温を繰り返すと、パッケージ表面に霜が発生し、それが溶けて水垢となり、パッケージ表面に付着する場合がある。このような汚れは導電性を持っているので、端子間の絶縁抵抗を劣化させ、リーク電流不良を引き起こす。高湿状態だと、より発生しやすい現象だ。この場合は、パッケージ表面を洗浄すれば元に戻る。

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