ICをソケットから外すと驚きの事実が! ドイツ製の寒天製造機を修理【完結編】:Wired, Weird(3/3 ページ)
今回は寒天製造機の修理の続きだ。修理を依頼されたドイツ製の寒天製造機を調べたところ多数の疑問点があった。ただ、販売代理店に問い合わせたところ、疑問が解ける回答を得ることができた。今回は販売代理店の回答を受けて、修理していった様子を紹介する。
ICソケットを交換し動作を確認
不良の根本原因がはっきりしたので、ICソケットを交換した。図6に示す。
図6のようにICを実装してしまうとICソケットのコンタクト部は全く見えなくなる。外したICソケットを基板のそば(図6左上)に置いた。オペアンプはDC8Vの単電源で動作し、その他のロジックICはDC5V電源だった。モーターの接続部の基板図を図7に示す。
図7下(2つのコネクター下)の記載の通り、左側のコネクターはセンサー入力、右側コのネクターは電源やモーターを接続すると分かった。
基板の修理は終わったので、記載の通りコネクターを接続して動作を確認した。電源を入れてもエラー表示はなく、パネルに「−−−−」と表示され、T1とT2のLEDが点滅した。
この表示で修理依頼主からの不具合情報と一致した。LEDの点滅の原因は、T1に設定する温度設定データが消えて0℃になっていたからだった。仮運転のためT1の温度設定を50℃にして稼働させた。図8に示す。
図8はT1の温度設定値である50℃を超えた後、T3に設定された冷却動作を行った時の写真だ。正確な操作ではないが一連の操作でエラーは発生しなかった。これで修理完了だろう。
機器の説明資料と不具合情報があれば修理はできる
今回はドイツ製の特殊な寒天製造機で、操作方法もエラー内容も分からなかった上に、モーターの配線が切られ、ICソケットのコンタクトに金属ピンが付いていないという最悪の機器だった。それでも販売代理店から情報を得られたので何とか修理を終えられた。
修理業務では機器の説明資料と不具合情報が把握できれば、修理完了まで到達できる。あとは依頼主の現場でこの機器が正常に動作することを願うばかりだ。この寒天を作る機器を修理し、納品して2年が経過したが何の連絡もない。正常に稼働しているようだ。
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