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温度測定と仕様の見方、導通/ダイオード試験と容量測定:初めて使うデジタルマルチメーター(4)(7/7 ページ)
デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する本連載。今回は温度測定と仕様の見方および導通/ダイオード試験と容量測定について説明する。
34461Aでの容量測定での操作手順
34461Aのパネルにある「SHIFT」キーを押してから、青字で書かれた「コンデンサー記号」キー(「Freq」キーと同じ)を押して容量測定の設定画面を表示させる。
この画面を左下にある「Range」キーを押してレンジを設定する。通常は「Auto」の設定でよい。
【ミニ解説】正確にコンデンサーの容量を測定するときはLCRメーターを使う
デジタルマルチメーターでのコンデンサーの容量測定は簡易的である。正確にコンデンサーの容量を測定するには、LCRメーターを使う必要がある。LCRメーターは、下図に示すように交流信号を測定対象に印加して、測定対象に流れる電流と端子間の電圧をベクトル電圧計で測定する仕組みになっている。
LCRメーターで得られる結果は、測定対象の等価回路モデルの各パラメーターである。コンデンサーでは、下図に示すような3素子直列モデルが使われることが多い。従って、劣化して等価直列抵抗(ESR)が大きくなった電解コンデンサーでも正確に測定が可能となる。
転載元「TechEyesOnline」紹介
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