デジタルマルチメーターをシステムで使う:初めて使うデジタルマルチメーター(5)(1/6 ページ)
デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する本連載。最終回の今回は、測定システムにデジタルマルチメーターを組み込む場合に知っておかなければならない事項や周辺アクセサリーについて説明する。
本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。
デジタルマルチメーターをシステムで使う
研究開発や生産などでは、測定対象のさまざまな挙動に対応するため、複数の測定器とPCやPLC(Programmable Logic Controller)など制御装置を使って、測定システムを構築することがある。特に、電圧や電流の測定をする機会は多くあるので、デジタルマルチメーターが測定システムに組み込まれることは多い。
測定システムにデジタルマルチメーターを組み込む場合に知っておかなければならない、下記について解説する。
- 外部トリガーの使い方
- 通信インタフェース
- ラックを選定する際の注意点
- ノイズ対策
測定システムを構築する場合は、組み合わせる他の測定器や制御装置の知識も必要となるが、今回の記事では省略する。
外部トリガー入力と測定完了出力端子
人が操作してデジタルマルチメーターを使う場合は、連続して電圧値などを測定して人が目で測定結果を見ている。デジタルマルチメーターの内部では、測定が終わると内部でトリガーが発生させて自動的に次の測定を行うようになっている。
PCなどが制御する測定システムでは、システムに組み込まれた測定器に、測定開始を外部から指令する必要がある。外部から測定開始を制御する方法には2つあり、1つは通信インタフェース経由で測定開始を行うコマンドを測定器に送る方法である。もう1つは、電気信号によってスタート信号を伝える方法である。デジタルマルチメーターには、測定スタート指令を受け取る外部トリガー入力端子(34461AではExt Trigと表示されている端子)と、測定の完了を外部に伝える測定完了出力端子(34461AではVM Compと表示されている端子)がある。通信インタフェースを使って測定の開始を指令するより、電気信号を使ったほうが正確な測定の同期が確保される。
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