デジタルマルチメーターをシステムで使う:初めて使うデジタルマルチメーター(5)(5/6 ページ)
デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する本連載。最終回の今回は、測定システムにデジタルマルチメーターを組み込む場合に知っておかなければならない事項や周辺アクセサリーについて説明する。
DC結合電流プローブ
キーサイト・テクノロジーが提供するアクセサリー中で、DC結合電流プローブは電池駆動の直流から8kHzまでの交流電流を測定できる便利なセンサーである。
交流や直流の電流を測定する場合に、測定対象の電線を切断しないで測定できる便利な電流センサーである。ただし、この電流センサーの仕様を見ると分かるように、デジタルマルチメーターで得られる確度は期待できない。そのため、測定要求が電流センサーの仕様の範囲であることを事前に確認する必要がある。
小電流から大電流までの直流から交流までに対応したさまざまな種類の電流センサーは、複数のメーカーから市販されているので、測定システムを構築する際に利用できる。
30A電流シャント抵抗
34461Aは、10Aまでの直流と交流の電流を測定できる。それ以上の電流測定に対応するために30Aまで測定できるシャント抵抗を用意している。
シャント抵抗を利用すると、デジタルマルチメーターが持つ周波数範囲が狭くなり確度も低下する。そのため、利用する場合は、測定要求がシャント抵抗の仕様の範囲であることを事前に確認する必要がある。
大電流を取り扱えるシャント抵抗は、分流器という名称でもさまざまなメーカーから販売されているので、用途に応じて選ぶことができる。
ターミナルコネクター
測定システムを構築する際には、測定対象からデジタルマルチメーターに接続するために配線材を直接接続したいという要求がある。
34461Aでは、下図のようなコネクターが用意されており、配線材をデジタルマルチメーターに接続する際に利用できる。
安全端子と配線材を接続する安全端子アダプターやバナナ端子アダプターなどの名称で一般に市販されているので、それらを使うことも可能である。
ターミナルコネクターが抜け落ちないように、ラック実装する際は配線をラックの支柱などに固定するのがよい。
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