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生産中止後も考慮した手厚いサポートに感心 ―― モータードライバーの故障原因調査【前編】Wired, Weird(2/2 ページ)

ダイレクトドライブモータードライバーの不良について調査してほしいという依頼があった。今回から2回にわたってその様子を紹介する。

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リップルが大きいので対策

 図3左は電源基板を拡大したもので、図3右はハンダ面にダイオードブリッジやIGBTのモジュールが実装されていた。電源基板に11個の出力コンデンサーがあり、18V(2)、5V(2)、15V(2)、14V(4)が生成されていた。4個の電解コンデンサーはリップルが1Vp-pあったので、リップルを改善させるためセラミックコンデンサー(50V10μF)を4個追加してリップルを低減した。


図3:電源基板の様子。左が部品面、右がハンダ面[クリックで拡大]

 コンデンサーを追加した様子を図4に、対策前後のリップル波形を図5に示す。


図4:リップル対策のためコンデンサーを追加した様子[クリックで拡大]

図5:対策前後のリップル波形[クリックで拡大]

 モータードライバーでは過電流や過電圧などのモーターの駆動をモニターするアナログ部の誤動作が出やすいのでセラミックコンデンサーを追加した(図4)。オシロスコープで対策の効果を確認した(図5)。リップルは半分程度に改善した。

電源部に不良はなさそうだが、重大そうなエラー表示が……

 IGBTモジュールの型番は「6MB30RH060-50」のようだったが、データシートは見つからなかった。念のためIGBTの保護ダイオードを測定した。VA、VB、VC出力の各IGBTの保護ダイオードは、0.3〜0.4Vで6個とも正常。VA、VB、VC出力間の短絡はなく電源基板は正常に動作していると思われた。

 電源部には不良はないと思われたので基板を組み上げて通電し、エラー表示を確認した。エラー表示は点灯ではなく、3回点滅する表示だった。3回点滅する表示の意味は取扱説明書には記載されていなかった。ただ、かなり重大なエラー表示であると思われる。

 公開されていた支援ソフトをPCにインストールして立ち上げ、通信コネクターとPCを接続してエラー内容を確認した。この続きは次回に報告する。

⇒連載「Wired, Weird」バックナンバー

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