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ベイパーチャンバー向け新材料採用ウィック:村田製作所 微細形状加工箔を使用
村田製作所と安永は、電子機器向け放熱部品のベイパーチャンバー向けに微細形状加工箔を用いたウィックを共同開発した。既存のウィックと比較して毛細管力が大きく、ベイパーチャンバーを薄型化、高性能化できる。
村田製作所と安永は2023年5月、電子機器向け放熱部品のベイパーチャンバー向けに、微細形状加工箔を用いたウィックを共同開発したと発表した。ベイパーチャンバーとは、薄い金属箔を貼り合わせた筐体にウィックと作動液を内蔵した熱拡散デバイスを指す。
安永が独自開発した微細形状加工箔と、村田製作所の設計に関する知見を組み合わせて新たなウィックを開発した。このウィックを内蔵したベイパーチャンバーは、Cooler Masterが製造と販売を担う。
厚み200μm未満のベイパーチャンバーを開発
従来のウィックには、主に金属粉焼結や金属メッシュが用いられていた。今回開発したウィックは、従来品より毛細管力が大きく、ベイパーチャンバーを薄型化、高性能化できる。
新たなウィックを用いることで、厚み200μm未満のベイパーチャンバーを開発。薄型でありながら入熱量に対する均熱性にも優れていて、スマートフォンでの用途に適する。
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