修理品の検査に便利なカーインバーターを発見!:Wired, Weird(2/3 ページ)
修理品の通電テスト用にスライダック(単巻可変変圧器)のようなものがほしいと常々、物色してきた。そんな中で、入力電圧に応じてAC220Vまでの電源を生成できそうな“カーインバーター”を見つけた。
十分に使える特性
図2は入力電圧と出力電圧の関係を示したグラフだ。出力の負荷に20kΩの抵抗を接続して測定している。このカーインバーターは入力電圧が9Vから動作し、ほぼ直線の電圧特性が得られることが分かった。これなら小電力の検査用電源として使える。
性能を比較するため、AC電源からDC24Vを生成する電源ユニット(以下、DC24V電源)にAC100V電源を接続して測定した。図3に示す。
図3左は、50WのDC24V電源に無負荷でAC100Vを接続し、消費電力と出力電圧を測定した様子だ。図3右は測定に使ったDC24V電源とワットメーターだ。測定結果は無負荷で出力電圧24.3V、消費電力2.6Wだった。次にAC100Vの代わりとしてカーインバーターによる可変電源を使った。カーインバーターの入力には直流安定化電源を接続し、出力をDC24V電源に接続した。確認結果を図4に示す。
図4左は、カーインバーターにDC24Vを入力した様子だ。カーインバーターからの出力はDC220V程度で、DC24V電源の出力が24.3Vだった。図4右は、DC12Vを入力した様子でカーインバーターからの出力はDC110V程度。DC24V電源の出力は24.3Vだった。消費電力はDC24V入力時で6.24W(=24V×0.26A)、DC12V入力時で3.84W(=12V×0.32A)だった。この差は、使ったDC24V電源ユニットの効率の差と思われた。
次に、可変電源として使えるカーインバーターの入力電圧範囲はどの程度かを確認してみた。図5に示す。
図5左がDC10V、図5右がDC24Vをカーインバーターに入力した時のDC24V電源の出力電圧を測定した様子だ。さまざまな電圧をカーインバーターに入力した結果、動作する最小入力電圧は9V。その際の出力はDC83Vだと判明した。この結果、このカーインバーターは、修理品の試験治具として十分使えることが分かった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.