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修理品の検査に便利なカーインバーターを発見!:Wired, Weird(3/3 ページ)
修理品の通電テスト用にスライダック(単巻可変変圧器)のようなものがほしいと常々、物色してきた。そんな中で、入力電圧に応じてAC220Vまでの電源を生成できそうな“カーインバーター”を見つけた。
分解してみると ―― 疑似正弦波生成を諦めた痕跡
可変電圧電源として使えるメドが付いたので、カーインバーターを分解して内部を確認してみた。図6に示す。
図6左はカーインバーターの基板全体だ。3つのICと整流回路が実装されている。図6左の黄色いトランス下側にあるIC周辺を拡大したものが図6右だ。「SG3525」との型番が読み取れる。SG3525は疑似正弦波のインバーター用制御ICで、9ピンにACの出力信号をフィードバックすれば疑似正弦波が作れる。フィードバック端子の9ピンは未接続だったので、疑似正弦波の生成は諦めて整流回路の電圧でDC出力の仕様に変えたと思われた。
カーインバーターとしても検査用電源としても重宝
結論として、このカーインバーターはテスト用の小型可変電圧電源として使えた。修理が終わった電源を軽負荷で調整や検査に使える有用なカーインバーターだった。USBポートも付いており普段は自家用車の中で携帯電話やスマートフォンの急速充電器として使っている。そして、車の中でPCの電源が取れるので、とても重宝している。通販サイトで確認したところ、現在の価格は約3000円になっているようだ。
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