スキャナー用途など、青色/緑色レーザーの新世代品:ams OSRAM PLT3 450GB、PLT5 450GB
ams OSRAMは、新たなレーザーダイオードエミッターチップを採用した青色および緑色レーザー「PLT3 450GB」「PLT5 450GB」を発表した。前世代品と比べてビーム品質が改善している。需要が高まる緑色レーザースキャナーなどの用途に適する。
ams OSRAMは2023年6月、新たなレーザーダイオードエミッターチップを採用した、青色および緑色レーザー「PLT3 450GB」「PLT5 450GB」を発表した。
両製品は、同社の前世代品と比べてビーム品質が改善した。また、製造ユニット全体での主な動作パラメーター値のばらつき範囲が狭くなっている。一方で、光出力やビーム形状、波長オプションは、前世代品のものを継承している。
動作電流や動作電圧、レーザー発振の閾値電流の最大値が低いのも特徴だ。例えば、30mWの緑色レーザー「PLT5 518FB_P」では、最大閾値電流が45mAと、前世代品の60mAと比較して約25%低くなった。駆動電流の最大値を低減しているため、両製品を用いたレーザースキャナーは、バッテリーで動く他のレーザースキャナーと比較して、装置の動作時間がより長くなるという利点がある。
今回の性能向上は、レーザーモジュールの動作電流や電圧の低減、電源サイズの小型化に寄与する。
需要が高まる緑色レーザースキャナー用途に
両製品は、バーコードスキャナーなどの用途に適する。人の目は、赤よりも緑色の光への感度が高く、緑色レーザースキャナーは環境光の影響を受けにくいため、緑色レーザースキャナーはスキャニング用途などでの需要が高まっている。赤色レーザーを用いる既存のバーコードスキャナーは、読み取る対象まで距離がある場合に読み取りづらくなることや、明るい太陽光の下で赤いドットが見えにくくなることがネックとなっていた。
標準ピーク波長は、450nm(青色)または520nm(緑色)となる。光出力100mWの青色レーザーと、10mW、20mW、30mW、50mWの緑色レーザーは既に受注を開始している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 自動車前照灯向けLEDの第3世代品
ams OSRAMは、同社の自動車前照灯向けLED「OSLON Compact PL LED」の第3世代品を発表した。エネルギー効率を改善する流れは継承しつつ、前世代品と比べて標準光出力が向上している。 - プラスチックパッケージ採用の端面発光レーザー
ams OSRAMは、ピーク出力75Wの端面発光レーザー「SPL PL90AT03」を発表した。費用対効果の高い、砲弾型プラスチックパッケージを採用していて、コンシューマーや産業機器向けなど大量生産品に適する。 - ミドルパワーのUV-C LED、ams OSRAM
ams OSRAMは、ミドルパワーのUV-C LED「OSLON UV 3535」シリーズとして「SU CULDP1.VC」「SU CULEP1.VC」を発表した。リフレクターを組み込んだカバーガラス不要のパッケージ設計を採用し、出力が向上している。 - 小口径の表面実装赤外線レーザーデバイス
ams OSRAMは、110μmと小口径の表面実装赤外線レーザーデバイス「SPL S1L90H_3」を発表した。ドローンやロボット、ビル管理システム、FAといった短パルスのLiDARアプリケーションでの用途に適する。 - 医療分野向け、波長514nmのレーザーダイオード
ams OSRAMは、波長514nmの汎用緑色レーザーダイオード「PLT5 522FA_P-M12」を発表した。研究や診断など、ライフサイエンス分野に適する。小型、低コスト、長寿命で、アルゴンイオンレーザーからの置き換えが可能だ。