RTC(Real Time Clock)の機能と使い方:Q&Aで学ぶマイコン講座(84)(1/3 ページ)
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初心者の方からよく質問される「RTC(Real Time Clock)の機能」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初心者から多く寄せられる質問です。
マイコンに搭載されているRTC(Real Time Clock)は、タイマー*1)の一種だと思いますが、どのような機能を持っていて、具体的にどのように使えば良いのでしょうか?
RTC(Real Time Clock)は、タイマーの一種で、主に時計やカレンダー機能に使われます。
ここでは、STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)の汎用32ビットマイコン「STM32F4シリーズ」*2)に搭載されているRTCを例に解説します(図1参照)
時計機能では、時間の最小単位の1秒をタイマー機能でカウントして作る必要があります。マイコンのシステムクロックを2nで分周して1秒を作ると少し手間がかかるので、通常はRTC専用の32.768kHzのクロックを使います。さらに、周波数の精度が悪いと時計が狂ってしまうので、水晶振動子など周波数精度の高いクロック源を使います。
RTCは、32.768kHzのクロックを215(=32768)で分周して1秒を作ります。これにより、カウンタのハードウェアが効率良く作れるだけでなく、精度の高い1秒を作れます。
図1の左上(ピンク枠)に32.768kHzのクロックを入力するところがあり、そこから1秒を作ります。1秒ができれば、中央網掛部分のカレンダー部が分、時間、日、月、年を作り、これで時計とカレンダーができ上ります。
RTCで作られた時間や日付はBCD*3)になっているので、そのまま10進数として扱えます。
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