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カバーを開けて不具合の原因を特定 ―― 7.5kWインバーターの修理(2):Wired, Weird(2/2 ページ)
今回は7.5kW出力インバーターの修理の続きだ。このインバーターはIGBTパワーモジュールが過熱破損し、整流電源の+端子とモーター駆動のU端子が短絡していた。不具合を確認するため取り出したIGBTモジュールのカバーを開けた。
IGBTモジュールが到着、いよいよ実装へ
2週間程経過して、IGBTモジュールが届いたので、モジュールを実装した。届いたモジュールと修理した基板を図5に示す。
図5左は代替品のパワーモジュールで、右は実装した電源基板のハンダ面だ。通電して表示を確認した。図6に示す。
図6左はAC100Vを通電して確認した様子だ。消費電力は5.9Wで、デジタル電源は4.97V、アナログ電源は30.1Vだった。パネルには0.00Hzの表示が出てエラーは発生していない。取りあえずは問題なさそうだ。故障原因ははっきりしていたので、修理は完了したと確信を持って依頼主である知人へ修理品を発送した。
1カ月後、再度連絡が来た
修理品を発送して1カ月後に依頼者から連絡があった。
インバーターの取り付け時に確認不足で、配線が長く、電源入力とモーター出力を逆に配線して、RUNを入れた途端に過負荷になり、表示ランプが消えてしまった
ということだった。苦労して交換したIGBTモジュールがまた壊れたようだ。
続きは次回に報告する。
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