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マイクロプロセッサ(MPU)の知っておくべき8つのポイントマイクロプロセッサQ&Aハンドブック(1)(3/3 ページ)

マイクロプロセッサ(MPU)を使用したボードを開発するユーザーが抱えるさまざまな悩みに対し、マイクロプロセッサメーカーのエンジニアが回答していく連載「マイクロプロセッサQ&Aハンドブック」。初回である今回は、初めてマイクロプロセッサを使用するユーザーがつまずきがちなポイントなどをまとめた8項目の概要を紹介します。

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6.マイコンとマイクロプロセッサでのソフト開発の違い

 マイクロプロセッサのソフト開発では、マイコンに比べて開発規模が非常に大きくなります。そのため、マイコンでのソフト開発と大きく異なります。

  • 考え方の違い:擦り合わせ型から組み合せ型開発への移行
  • 開発体制の違い:個人/単発的な開発からチーム/継続的な開発への移行
  • ソフト実装方法の違い:MMUによるカーネル/ユーザー空間の分離
  • デバッグ方法の違い:ログ/デバッガー/トレーサーを駆使したデバッグ

7.知的財産を守るためのセキュリティ知識

 マイクロプロセッサでは、プログラムを保存している記録用メモリが外付けのため、簡単にプログラムの抽出が可能です。そのため、プログラムの解析や改変も容易になります。悪意のある第三者から知的財産を守るためには、以下のような点の考慮が必要となります。

  • セキュリティを確保するための仕組み
  • メモリ空間のアイソレーション
  • セキュアブート
  • セキュアファームウェアアップデート
  • 脆弱性への対策

8.開発製品のタイプ別課題と確認事項

 実際の製品開発においては、製品タイプ別に技術的な課題が発生します。製品の差別化になりうる技術項目については要求水準が高くなり、解決までに時間を要する傾向があります。

 開発製品のタイプごとによくある問題点を、以下にまとめました。

  • PCやタブレットの周辺機器:USBの接続が不安定
  • バッテリー駆動機器:バッテリー駆動時間が短い
  • 表示機器:低消費電力モードからの多様なウェイクアップソースの実現
  • 計測機器:パラレル信号インタフェースでのFPGAの接続
  • 工作機械/プリンタ:コプロセッサとメインプロセッサ間の通信方法
  • 楽器:マイクロプロセッサ自体でのマイコンと同等のリアルタイム性の確保

今後の連載について

 今後、今回の記事で紹介したポイントに関して、実際のユーザーから寄せられた質問などを基に個別に掘り下げて解説していきます。マイクロプロセッサへの移行を検討されているユーザーはもちろん、すでにマイクロプロセッサを使っている開発者向けにも役立つ情報をお届けします。お楽しみに!

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