幼児の置き去り検知など、車載向けシングルチップUWBファミリー:NXP Trimension NCJ29D6
NXPセミコンダクターズは、車載向けシングルチップUWBファミリー「Trimension NCJ29D6」を発表した。セキュアなカーアクセスや侵入警告、幼児の置き去り検出などに対応する。
NXPセミコンダクターズは2023年11月、車載向けのシングルチップUWB(超広帯域無線)ファミリー「Trimension NCJ29D6」を発表した。既に大手自動車メーカーに採用され、2025年モデルの自動車に実装予定だ。
同ファミリーは、短距離レーダーやリアルタイム位置特定機能を搭載。セキュアなカーアクセスや侵入警告、幼児の置き去り検出、ジェスチャー認識など、複数の用途に単一のシステムで対応できる。
子どもの存在検出は、米国のHot Car Actや欧州のNCAPロードマップに準拠した機能を提供する。自動車メーカーやTier 1サプライヤーは、ソフトウェアアップデートにより機能を追加できる。
前世代品からシステムパフォーマンス、セキュリティが向上
同ファミリーのうち、高集積の「NCJ29D6B」は、前世代品に比べてシステムパフォーマンスやセキュリティが向上した。UWB対応スマートフォンのデジタルキーから、ユーザーはハンズフリーで車にアクセス可能になる。同時動作の2つのレシーバーチェーンと高いRF感度により、アンテナダイバーシティーやAoA(到達角度)をサポート。他のUWB対応機器の距離や移動方向の変化を検出する。
「NCJ29D6A」は、位置特定機能と短距離レーダーを統合したMCUを搭載する。ピン互換性を備え、近距離UWBレーダーにより、NCJ29D6Bの位置特定機能を拡張できる。UWBベースのカーアクセスシステムで多目的プラットフォームを構築可能になり、1つのハードウェアで子どもの存在検出や車内センシングなどを統合できる。
両製品は、ISO 21434に規定されたサイバーセキュリティ要件を上回る性能を有する。また、CCC MACとFiRa MACは標準互換のUWB測距プロトコルに対応していて、顧客のソフトウェアに直接ドッキングできるため、AUTOSARアーキテクチャの実装や簡素化が可能となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 最小0.8mVのセル測定精度、リチウムイオンバッテリーコントローラーIC
NXPセミコンダクターズは、EVやエネルギー貯蔵システム向けのリチウムイオンバッテリーコントローラーIC「MC33774」を発表した。電圧チャンネルは4〜18で、最小0.8mVのセル測定精度を備える。 - 880ビットメモリ搭載産業用RFID向けIC、NXP
NXPセミコンダクターズは、産業用RFID向けIC「UCODE 9xm」を発表した。読み取り感度が−24dBm、書き込み感度が−22dBmとなっており、合計880ビットのメモリを搭載している。 - NFC向けMCUソリューション
NXPセミコンダクターズは、NFC用途向けのコネクテッドマイクロコントローラーソリューション「PN7642」を発表した。マイクロコントローラーとNFCリーダー、セキュリティツールボックスで構成される。 - EV制御向けの車載マイクロコントローラー
NXPセミコンダクターズは、EV制御向けの車載マイクロコントローラー「S32K39」を発表した。トラクションインバーターの制御に最適化しており、IGBTに加え、SiCやGaNにも対応できる。 - 次世代ADAS向けワンチップレーダーSoC
NXPセミコンダクターズは、ADASや自動運転システム向けのワンチップレーダーSoC「SAF85xx」ファミリーを発表した。前世代品と比較してRF性能が2倍となったほか、レーダーシグナルプロセッシングが最大40%高速化している。