特集
先端半導体製造の歩留まり向上に効く「ベベル成膜」とは:ウエハーエッジの重要性が増す(3/3 ページ)
半導体製造の歩留まり向上に貢献する、ベベル成膜技術とベベルエッチング技術について解説する。
ロジック、メモリ、パッケージングにおける成果
これらのベベル成膜とベベルエッチング技術を使用することで、月産10万枚以上のウエハーを投入する半導体メーカーでは、ダイの生産数を数百万個増加できるようになりました。これは年間を通じて考えると数千万米ドルもの価値に相当します。
大手のファウンドリー/ロジックプロバイダーは、Lam Researchのベベル成膜ソリューションについて、「欠陥から保護し、歩留まりを向上させることで先端ロジックデバイスに対する顧客独自の要件を満たすために必要な製造信頼性を提供する」とコメントしています。
ウエハー外周部での選択的PECVD成膜技術の使用は、生産中の先端デバイスおよびパッケージングの歩留まりを大幅に向上することが示されています。
今回の結果は、5nmや3nmおよび、それ以降のプロセス世代において、より要求の厳しい新しい3D集積化技術やパッケージング技術を広く導入する際に、ウエハーベベルの制御、あるいは管理する水準を追加することで、歩留まりリスクを最小限に抑えられる可能性を示唆しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日本製半導体/FPD製造装置の販売高、24年度以降は2桁成長へ
日本半導体装置協会は2024年1月18日、2023〜2025年度における日本製半導体製造装置およびFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置の販売高予測を発表した。2023年度は、ともに厳しい予測だが、2024年度以降は2桁成長を見込んでいる。 - 最小3μmの微小ビアを形成可能なエキシマレーザー加工装置、オーク製作所
オーク製作所は、「第38回ネプコンジャパン」(2024年1月24〜26日/東京ビッグサイト)の構成展である「第1回 パワーデバイス&モジュール EXPO」に出展し、φ10μm以下のビア形成が可能なエキシマレーザー加工装置や、開発中の解像性2μm以下のダイレクト露光装置などを紹介した。 - 半導体の微細化に貢献 製造装置の精度向上を実現するファインセラミックス、京セラ
京セラは「SEMICON Japan 2023」に出展し、半導体製造装置に使用するファインセラミックスの技術を展示した。ファインセラミックスは硬度の高さや加工のしやすさが特徴で、精度向上が求められる半導体製造装置で導入が進んでいる。 - バンプピッチ15μmのウエハーなどを展示、「JOINT2」が研究の進捗を報告
次世代半導体パッケージ実装技術の開発を目指すコンソーシアム「JOINT2」は、「SEMICON Japan 2023」(2023年12月13〜15日/東京ビッグサイト)で、取り組みの内容や研究開発の進捗を紹介した。 - ASMLとSamsung、次世代EUV装置によるR&Dファブを共同設立へ
ASMLとSamsung Electronicsが、次世代EUV(極端紫外線)リソグラフィ装置による先端半導体プロセス技術開発のR&D(研究開発)ファブを韓国に設立するMoU(協業覚書)を締結した。両社は、ファブ設立に向け1兆ウォン(約7億7500万米ドル)を共同出資する。