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TO-56CANを採用のデジタルコヒーレント通信方式用光源:波長モニターチップを搭載
三菱電機は、デジタルコヒーレント通信方式用の光源「波長モニタ内蔵 DFB-CAN(形名:ML973A71)」を開発した。複数の光学部品を1チップに統合した波長モニターチップとDFBレーザーチップをTO-56CANに内蔵した。
三菱電機は2024年4月、デジタルコヒーレント通信方式用の光源「波長モニタ内蔵 DFB-CAN(形名:ML973A71)」を開発し、サンプル提供を開始した。サンプル価格は、個別見積もりによる。
波長モニターチップとDFBレーザーチップを1パッケージ化
ML973A71は、複数の光学部品を1チップに統合した波長モニターチップとDFB(分布帰還型)レーザーチップを搭載する。パッケージは、φ5.6×8.3mm(ヒートシンクは含まず)のTO-56CANを採用。同社のバタフライ型波長可変光源「FU-679PDF」に比べて体積が80%減少し、0.2mlと小型化した。
光出力は+17dBm、波長(光周波数)は1547.72nm(193.7THz)、動作ケース温度は−5〜+75℃となる。DFBレーザーチップの発熱量と温度調整を行う熱電変換素子を改良したほか、放熱構造を最適化した。消費電力は標準値が1Wで、従来製品比66%低減している。
波長モニターチップを同一パッケージに内蔵したことで、DFBレーザーチップの高精度制御が可能になり、波長1547.72nmのレーザー光を出力できる。OIF(Optical Internetworking Forum)が仕様を提案しているデジタルコヒーレント通信方式用の400Gビット/秒光トランシーバーや、仕様を検討中の800Gビット/秒光トランシーバーの小型化と低消費電力化に寄与する。
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