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産業用LV100タイプの2.0kV耐電圧IGBTモジュール:三菱電機 CM1200DW-40T
三菱電機は、産業用LV100タイプで2.0kV耐電圧のIGBTモジュール「T」シリーズを発表した。DC1500Vの電力変換機器に適した製品で、再生可能エネルギーの電源需要に対応する。
三菱電機は2022年4月、産業用LV100タイプで2.0kV耐電圧のIGBTモジュール「T」シリーズ(形名:CM1200DW-40T)を発表した。同年5月からサンプルを提供する。サンプル価格は7万3800円(税込)で、同年12月の量産開始を予定している。
同モジュールは、欧州で発行される低電圧指令の上限電圧であるDC1500Vの電力変換機器に適した製品で、再生可能エネルギーの電源需要に対応する。
電力変換機器の小型化と低消費電力化に貢献
キャリア蓄積効果を利用したCSTBT構造を用いた「第7世代IGBT」と、カソード側の電子移動度を最適化した「RFCダイオード」を搭載。どちらも高耐電圧仕様とすることで、従来はトレードオフになっていた高電圧動作と低電力損失を両立した。これにより、電力変換機器の低消費電力化が可能になる。
また、産業用LV100タイプの外形パッケージにより、インバーターの大容量化と高出力化に対応する。並列接続しやすい端子配列を採用し、AC主電極の3つの端子が電流を分散して、電極端子の発熱を抑える。サイズは100×140×40mmで、定格電流は1200A、絶縁耐電圧は4kVrmsとなっている。
絶縁部と銅ベース部を一体化しており、熱サイクル寿命を延長する。独自の内部電極構造を採用し、パッケージのインダクタンスを抑えて、信頼性を高めている。
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