高効率/低ノイズなLLC電流共振電源用コントロールIC:PFC、LLCの連携動作に対応
サンケン電気は、LLC電流共振電源用コントロールIC「SSC4S913」の量産を開始した。PFCとLLCの起動や停止、スタンバイを連携して制御できる。
サンケン電気は2024年4月、LLC電流共振電源用コントロールIC「SSC4S913」の量産を開始したと発表した。モニターや液晶TVなどのAV機器、サーバや多機能プリンタなどのOA機器、通信機器、産業機器といった用途に適する。
同製品は、臨界モードのPFC制御や、LLCタイプの電流共振制御を採用し、小型で高効率、かつ低ノイズな電源となる。LLCには、ハイサイドおよびローサイドのドライブ回路を搭載。ハーフブリッジ部の外付けパワーMOSFETを直接駆動できる。
PFC、LLCの連携動作が可能
PFC、LLCそれぞれでの動作モード切り替えの設定は不要となる。PFCの出力電圧が一定の値に達すると、LLCが動作を開始する。また、PFCの出力電圧の低下を検出した際は、LLCの動作がキャパシタンス領域に入る前に停止。電流共振外れによるハードスイッチングを防ぐ。
スタンバイ動作では、PFCとLLCがともにバースト発振し、スイッチング損失を低減する。LLCがバースト発振動作に切り換わると、PFCもバースト発振動作に移行。PFCの出力電圧を制御して損失を抑制する。
電圧共振期間を検出し、ハイサイドパワーMOSFETとローサイドパワーMOFSETのゼロ電圧スイッチングを自動的に制御するデッドタイム自動調整機能を搭載する、他に、放電用抵抗RDISが不要なXコンデンサー放電機能(AC入力モード時)、入力電圧がACかDCかを判別し、ACの場合のみXコンデンサー放電機能を有効化するAC-DC入力対応などを備えた。
パッケージは、9.9×6.0×1.7mmのSSOP24を採用。PFCとLLCを1パッケージに集約したことで、外部部品やスペースの削減に寄与する。
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