マイクロプロセッサを使用したシステム、回路設計時に重要なポイントは:マイクロプロセッサQ&Aハンドブック(3)(2/7 ページ)
マイクロプロセッサ(MPU)を使用したボードを開発するユーザーが抱えるさまざまな悩みに対し、マイクロプロセッサメーカーのエンジニアが回答していく連載「マイクロプロセッサQ&Aハンドブック」。今回は、「回路設計時の重要ポイント」について紹介します。
マイクロプロセッサを使用したシステム設計時の重要ポイントについて、比較的回路構成がシンプルなSTマイクロエレクトロニクスのエントリー向けマイクロプロセッサSTM32MP13シリーズ※1)を例に説明します。
※1)STM32MP1シリーズ
ブロック図によるシステム全体の理解
リファレンスデザインとして評価ボードの回路図を見ながら、どのようなコンポーネントが必要か列挙してブロック図を作成してみましょう。評価ボード「STM32MP135F-DK」を例にブロック図を示します(図1)
マイクロプロセッサを使用したシステムの設計では、外付けの電源管理IC(PMIC)、DDR3Lなどの外付け実行用メモリ、SDカードなどのブート用メモリなどの接続が必要となります。
電源回路
マイクロプロセッサに使用する電源回路設計には、次のステップがあります。
- マイクロプロセッサに必要な電源の把握
- 電源回路構成の検討(メーカー推奨の電源管理ICもしくはディスクリート構成)
- 電源供給能力の確認
それぞれのステップについて、説明します。
1.マイクロプロセッサに必要な電源の把握
電源回路の検討において、まずはマイクロプロセッサにどのような電源が必要かを把握する必要があります。そのために、マイクロプロセッサの電源ブロック図をリファレンスマニュアルから確認します。STM32MP13シリーズの場合、電源ブロック図はリファレンスマニュアル「RM0475」の9.3章”PWR power supplies”内、”Figure 28. Power supply overview”※2)に記載されています(図2)。また、それぞれの電源の供給電圧はデータシートを確認します。
※2)RM0457
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.