検索
ニュース

効率99.5%を実現 400V耐圧のSiCパワーMOSFETインフィニオンの「CoolSiC」

インフィニオン テクノロジーズは、第2世代のCoolSiC(炭化ケイ素)技術を採用した、SiCパワーMOSFET「CoolSiC MOSFET 400V」ファミリーを発表した。高い電力密度と効率を実現した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 インフィニオン テクノロジーズは2024年5月(現地時間)、第2世代(G2)のCoolSiC(炭化ケイ素)技術を採用した、SiCパワーMOSFET「CoolSiC MOSFET 400V」ファミリーを発表した。エンジニアリングサンプルを供給中で、同年10月から連続生産に入る。

「CoolSiC MOSFET 400V」ファミリー
「CoolSiC MOSFET 400V」ファミリー 出所:インフィニオン テクノロジーズ

既存の650V SiC MOSFETより効率が0.3%向上

 AI(人工知能)サーバのAC-DC段向けに開発され、高度なAIアプリケーションに高いエネルギー効率を提供する。マルチレベルPFCに実装したAIサーバ電源装置(PSU)のAC-DC段は100W/in3超の電力密度を達成し、99.5%の効率を実証。既存の650V SiC MOSFETと比較し、効率が0.3%向上した。DC-DC段にCoolGaNトランジスタを実装すれば、電力密度は既存製品の3倍以上となり、8kW超を供給できる。

 ドレインソース間耐圧はジャンクション温度(Tvj)25℃時に400Vで、2および3レベルのコンバーターや同期整流での使用に適する。過酷なスイッチング条件でも高い堅牢性を示し、100%のアバランシェ試験を実施している。

 同ファミリーは計10種類の製品で構成され、RDS(ON)は11〜45mΩの5種類を用意する。ケルビンソース機能付きのTOLLパッケージと、同社の相互接続技術「.XT」に対応したD2PAK-7パッケージで提供。堅牢なCoolSiC技術と.XTを組み合わせることで、AIプロセッサの所要電力の変化で引き起こされる電力ピークや過渡状態に対処できる。

 主な用途として、太陽光発電や蓄電システム(ESS)、インバーターモーター制御、産業用電源、補助電源(SMPS)、住宅用ソリッドステートサーキットブレーカーなどを見込む。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る